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2019年12月05日

「子規句集」より(氷)

           鶺鴒(せきれい)の刈株つたふ氷かな


鶺鴒は、地面に尾を打ちつけるように歩く。
冬田に張った氷を避けるように稲の切り株をつたっていく。
なか賢い動きである。
  

Posted by okina-ogi at 11:07Comments(0)書評

2019年12月04日

「子規句集」より(大三十日)

前書きに「漱石虚子来る」

             漱石が来て虚子が来て大三十日
上五句が七文字になっているのはまだしも、前書きに書かれている内容だ。
大三十日に二人が来てくれるが余程嬉しかったのだろう。
漱石は同年の友人、虚子は郷土の後輩。
虚子の俳号の名付け親は子規である。
虚子の本名は高浜清である。
キヨシがキョシが良かろう。
本人も断るわけにもいかない。
満更でもなかったようだ。
その経緯は、虚子が自書に書いている。さて漱石だが
前書きに「漱石来たるべき約あり」


             梅活けて君待つ庵の大三十日
虚子さてどんな気持ちだったろう。
  

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2019年12月03日

「子規句集」より(掛稲)

           谷あひや谷は掛稲山は柿

谷あいにある田は、狭そうで沢地にあるため、湿地である。
当然、掛稲することになる。
田を見下ろす山には柿がたわわになっている。
  

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2019年12月02日

「子規句集」より(紫苑)

            竹籠に紫苑活けたり軸は誰


子規は、漱石の寓居の一間を借りた。
そこでふたりは俳句談義をしたのであろう。
            
            桔梗活けてしばらく仮の書斎かな
紫苑も帰郷のように紫色だったろう。
はて、その床の間にある掛け軸は、誰のもの。
  

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2019年12月01日

「子規句集」より(蘆)

蘆の穂に汐さし上る小川かな


日本は豊葦原瑞穂の国と古くは呼ばれた。
稲の周りには蘆が茂っている風景を想像する。
小説家徳富蘆花はペンネームに蘆を使っている。
蘆は「悪し」で読み方が悪いので「葦」と書かれるようになった。
「葦」は「良し」である。
海辺に近い小川を汐が上って川面に垂れた蘆の穂を濡らしている。
           橋やあらん漁夫帰り行く蘆の花
連作である。
  

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2019年11月30日

「子規句集」より(落葉)

鷄遊ぶ銀杏の下の落葉かな

鶏が銀杏の木の下に動きまわっている。
雄鶏も雌鶏もいる。
鶏のトサカの赤と銀杏の落葉の黄色 の対象が面白い。
  

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2019年11月29日

「子規句集」より(一葉)

我に落ちて淋しき桐の一葉かな

「桐一葉落ちて天下の秋を知る」
と古くから言われている。
桐の葉は大きく、自分の前に落ちれば、秋だなあと感じ、淋しさも わいてくる。
  

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2019年11月28日

「子規句集」より(鹿)

           ともし火や鹿鳴くあとの神の杜


秋の鹿の鳴き声には寂しさを感じる。
奈良公園やその森にいる鹿が鳴いているのだろう。
灯籠のともし火は春日大社のものであろうか。
鹿もねぐらに帰る。
  

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2019年11月27日

「子規句集」より(霧)

          中天に並ぶ岩あり霧の奥

霧は秋の季語になっている。
中天というから前方真上の位置に並んで岩が突き出ている。
霧の奥というところ水墨画のような岩山の感じが出ている。
  

Posted by okina-ogi at 17:44Comments(0)書評

2019年11月26日

「子規句集」より(秋風)

 
          秋風や平家吊(ともら)ふ経の声 
 
  子規には須磨の句が多い。
療養の地だったからである。
日清戦争従軍記者として中国に渡り、帰路船中で喀血した。
秋風にのって流れてくる平家をもらう読経は物悲しく聞こえる。 
「一ノ谷の戦破れ、討たれし平家の公達哀れ」
文部省唱歌「青葉の笛」は後年のことである。
  

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2019年11月25日

「子規句集」より(秋高し)

         秋高し鳶舞ひ沈む城の上


秋の空に雲はあるが、高いところにあって「秋高し」という季語がピッタリする。
鳶が城の周りを飛んでいる。
一瞬城の影に入り見えなくなった。
城は、松山城であろう。
こんな秋空の下で子規と漱石が、会い、別れを詠んだ句がある。
         行く我にとどまる汝に秋二つ
秋は二人の友情を包んでいる。
漱石の秋、子規の秋である。
  

Posted by okina-ogi at 13:32Comments(0)書評

2019年11月24日

「子規句集」より(麦藁)

          麦藁や地蔵の膝にちらしかけ


田植えの前、昨年蒔いた麦が収穫される。
麦の茂った様を「麦秋」という粋な季語があるが、夏の季語である。
刈り取られた麦を地蔵の膝の上にのせたのは、意図あってしたことではない。
  

Posted by okina-ogi at 11:15Comments(0)書評

2019年11月23日

「子規句集」より(凌霄)

          家毎に凌霄咲ける温泉(いでゆ)かな


この地の温泉宿は申し合わせたようにノウゼンカズラを植えている。
蔓でからまりオレンジ色の花を咲かせる。
花も大きく人目に目立つ花である。
外来種のようだが、平安時代から親しまれていたという。
  

Posted by okina-ogi at 14:36Comments(0)書評

2019年11月22日

「子規句集」より(桑の実)

          ありきながら桑の実くらふ木曽路かな


木曽路の脇には桑の木があり、実が紫に熟したものを見つけては口に入れる。
実は白から赤そして紫になる。
ドドメという地方もある。
  

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2019年11月21日

「子規句集」より(花柚)

           吸い物にいささか匂う花柚哉

花柚は、柚の一種。
果実は柚よりちいさく、花莟。果実の切片を、酒や吸い物に入れ香気を味わう。
  

Posted by okina-ogi at 09:28Comments(0)書評

2019年11月20日

「子規句集」より{若葉)

           山越えて城下見下ろす若葉哉

故郷松山の城下町なのであろうか。
峠のような少し高いところは、まだ芽吹きのような緑だが、城下を見下せる場所に来てみると若葉が迎えてくれる。
  

Posted by okina-ogi at 15:07Comments(0)書評

2019年11月19日

「子規句集」より(青田)

            日本(ひのもと)の国ありがたき青田哉

満州より帰国した心境である。
瑞穂の国、米が美味しいというのが日本なんだなあという飾りのない一句である
  

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2019年11月18日

「子規句集」より(清水)

           一口に足らぬ清水の尊さよ

子規の時代の清水のありがたさはこのとおりである。
今日では、携帯のポットに入れて冷たい水が飲める。
  

Posted by okina-ogi at 12:47Comments(0)書評

2019年11月17日

「子規句集」より(夏館)

夏館異人住むかや赤い花


夏館は、神戸の洋館だろうか。
赤い花が咲いている。
サルビアかもしれないが、西洋人は原色の花が好きだ。
芝の緑と花の赤は良い組み合わせ。
  

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2019年11月16日

「子規句集」より(日傘)

          清水の阪のぼり行く日傘かな

京の清水寺に至る三年坂であろうか。
子規の前には、日傘をさした婦人がいる。
和服姿でゆるりゆるりと登っていく。
  

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