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2015年06月30日

法律門外漢のたわごと(経過的加算)


厚生年金法の中に、経過的加算というのがある。あまり関心も持たず、それこそ経過的に理解していた。実際は、理解していなかったことに気づいた。特別支給の老齢年金は、比例報酬部分と定額部分に分かれているが、やがて60歳から65歳までの特別支給という制度も姿を消す。定額部分が、基礎年金にあたる部分だが、経過的加算は、定額部分が支給されている人に関係する加算だと思っていた。
よく読んでみると、そのこととは関係ない。20歳から60歳まで全て厚生年金に加入しておらず、60歳以後厚生年金に加入すると、40年に満たない期間は経過的加算としてカウントされる。60歳以降は、厚生年金に加入しても基礎年金の納付済み期間とはならないので、比例報酬部分が増額されるだけと思っていたことも誤解に繋がっていた。うれしい発見である。
  

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2015年06月27日

七仏通誡偈

近所にゴルフ仲間の僧侶がいる。書家でもある。県展に作品を出したりしている。床の間には、昔中国に行ったときに衝動買いした(?)水墨画が長年掛けてあって、見栄えがしない。この際、一筆お願いして新しい掛け軸にすることにした。快諾してもらい、書いてもらう文字を話すと、さすがお坊さん。「七仏通誡偈ですね。それはよろしいこころがけです」と褒められた。
この人の檀家でもないし、仏教徒でもないので条件をつけた。「諸悪莫作、衆善奉行、自浄其意まででよいですから」この後は、「是諸仏教」と続くのである。さらに付け加えて、「少し恥ずかしいので、楷書ではなく、行書か草書でお願いします」と。さすが、寛容な仏教の菩薩様は快諾してくれた。
なぜ、この文字にしたのかには理由がある。若い時に、数学者の岡潔先生にお会いし、その教えに導かれたことに関係がある。先生が愛読していた書に、道元の『正法眼蔵』がある。非常に難解な本であるが、七仏通誡偈について解説している。
東京大学教授で倫理学者である、頼住光子がこのことを詳細に書いている。意味はこうなる。
悪いことをしようと思っても
良いことをせずおられない
そのような生き方の中で、自然と心が浄まっていく
しかし、修行ができていない自分には、3歳の童子への教えでよい。80歳になったら自覚できるかもしれない。

悪いことをしてはいけない 
     善いことをしなさい 
     そして自分の心を浄めなさい
  

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2015年06月26日

からすの研究者とビートたけしの対談(達人対談)



新潮45(7月号)にカラスの研究者である松原始さん(東京大学総合研究博物館特任助教)とビートたけしの対談記事が載っている。友人からコピーが送られてきたので早速拝見。相変わらずの博識というか、身を張っての調査研究には頭が下がる。スタップ細胞の事件があったが、対照的な研究姿勢である。
さすがのビートたけしも脱帽している。現在、松原始さんは、東京駅に近い、元中央郵便局の建物の2階にある東京大学博物館に勤務しているが、休日返上で都会や田舎のカラスを追いかけている。新しい発見もあったに違いない。またお会いしたときその成果を聞きたい。ビートたけしとの対談といっても、その内容はいつもの始さんの語りで、自然体である。
  

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2015年06月25日

国蝶オオムラサキ



日曜日、NHKで放送される「ダーウィンが行く」という番組を楽しみにしている。先週は、オオムラサキの生態が紹介されていた。オオムラサキは、国蝶で大きく美しい蝶である。特にオスは、紫色の模様が際立って美しい。日本に幅広く生育するが、貴重な品種として保護されている。
15年くらい前、友人グループで、泊りがけでオオムラサキを見に行ったことがある。山梨県の北杜市にある「オオムラサキセンター」である。甲斐駒ケ岳の見える場所にあって、じっくりオオムラサキを鑑賞することができた。飛び方が独特である。ひらひらとは、飛ばずスーと直線的に飛ぶ。羽ばたき方もダイナミックである。
テレビで、幼虫を見たが結構愛嬌がある。しかし外敵に対しては攻撃的なのには驚いた。成虫になってもスズメバチやカブトムシにたじろぐこともなく樹液を吸っている。近くの里山の森ではなかなか出会えないが、また見たいとも思う。オオムラサキを追いかけて
「トンボとり今日はどこまで行ったやら」ということにはならないと思うが、魅力的な蝶である。

  

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2015年06月20日

小泉節

インターネットの映像で、久しぶりに小泉純一郎元総理の講演を聞いた。政界を引退したとはいえ、小泉節は衰えていない。鹿児島での講演で、最初に牧師さんのオカリナ演奏があった。主催した団体は、忘れたが講演のテーマは原発ゼロの主張である。相変わらず論点がはっきりしてわかりやすい。
原発稼動反対となった理由は、1.安全性。2.クリーンなエネルギー。3.低コスト。総理就任中は、原発に対してそう考えていたが、事故以来、それが全て間違いだと考えるようになったという。そう確信すれば、行動に出るのがこの人の政治家としての習性。変人といわれたが、変節したといわれても自分の考えは、普通の人のまともな考えだといって、会場の笑いを生む。なかなか話が上手い。
過去の歴史を上げ、日本人のピンチをチャンスに変えた例を上げ、今回の原発事故は天の啓示と思い、原発ゼロにエネルギー政策を変える決断することだと主張。戦前、満州から手を引かなかったから不幸な戦争になったという指摘は同感。為替が変動性になっても日本経済は発展したこと。オイルショックを乗り切って、省エネ技術を確立したこと。日本人対応力の力量を信じているという。
小泉元首相の父は、鹿児島の出身であり、酒税の話も出る。ウイスキーの課税を下げ、焼酎の課税を上げるという外圧に対し、鹿児島出身の山中貞則代議士が、地元の反対を抑えて税変更を行った英断の例は、講演会を聞いていた人を納得させたに違いない。森伊蔵などという高級焼酎は、ウイスキーより高いが人気がある。むしろ、鹿児島の焼酎は、全国に知られるようになった。小泉節は今も冴えて聴衆を酔わせる。
  

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2015年06月18日

トヨタの種類株


15年度の決算で、2兆円以上の利益を出したトヨタが、株主総会で種類株の議案提出をして承認された。説明に多くの時間を費やしたという。金額にして5000億円になるという。内部留保としての剰余金も豊富なトヨタが、なぜにこれほどの資金を調達するのか。安定した研究開発の資金として使うのだという。そのため、5年間は、換金できない、非上場の株になっている。大きな特徴は、買い入れた価格で、5年後に買い取られるので、元本保証になっている点である。配当も普通株より低いが、ある。トヨタが倒産しないかぎりは、大丈夫ということである。ギリシャ国債より数段リスクは少ない。
  

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2015年06月17日

神津牧場



テレビを見ていたら、群馬の高原にある牧場が紹介されていた。どことなく見覚えのある風景で、神津牧場だということがすぐわかった。この牧場を訪ねたのは30年も昔である。息子が3歳の時だったと思う。「氷雨」という曲が巷に流れていた記憶もある。
搾乳のために牛たちが列を作って牛舎に移動する姿がほほえましい。それこそ道草を食っている牛もいる。ここで作られるチーズを紹介していた。番組スッタッフの女性が美味しそうに食べている。テレビ局にいる渡辺徹が羨ましそうにしている。
神津牧場は、日本最古の洋式牧場である。ホームページには明治20年に、長野県佐久市の豪農の息子、神津邦太郎が始めたと紹介されている。福沢諭吉門下である。それから120年牧場経営は続いている。日本人の体力向上に乳製品が果たす役割の大きさを考え、実行した。志や高し、先見の明を痛感した。地元の人には、軍艦山と呼ばれる荒船山や、絹遺産群として世界遺産になった荒船風穴も近い。
  

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2015年06月13日

鴨川納涼床



学生時代を京都で過ごしたが、一度も行ったことがないのが、納涼床である。懐もさみしく、学生が食事を楽しむような場所でもなかったかもしれない。対岸の川端通りから見える納涼床は、京都の夏の風物詩である。川床(かわゆか)ともいうらしい。夏に近づくにつれ、一度は食事をして鴨川の冷気に触れ、夜景を楽しんでみたい気持ちになってきた。
そうはいっても、一人で食事をしても楽しくはない。家族連れでも良いが、親父の昔話を聞かされても面白くないに違いない。学生時代の友人なら懐かしさもひとしおというところだろう。昨年から、関西在住の有志が、同窓会を企画するようになった。幹事にお願いして、どこか貸切で納涼床同窓会を実現してくれないものかと思う。その前に、一度幹事役の友人と下見をしたいとも思う。
  

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2015年06月09日

アジフライが消えた?



最近、スーパーのフライのコーナーに行ってもアジフライが置いていない。食べ物で何が好きかと尋ねられれば「アジフライ」と答える。千切りのキャベツを添えて、ウースターソースをかけて食べるだけだが、なんとも美味しい。浦賀に行ったとき、街中の食堂で食べたアジフライは素材が新鮮だったのか、とびきり美味しかった。
大衆魚である鯵の漁獲が減ったためだろうが、庶民にとっては、残念な出来事である。鰯も好きだが、一時値上がりしたことがあった。いったいどうなっているのだろう。コンビニでもアジフライを置く店があったが、立ち寄ったところ目当てのものはない。しばらくは、好物とご無沙汰ということになりそうだ。
  

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2015年06月06日

梅栽培の今後を考える



6月の初旬の今、群馬では梅の出荷の最盛期になっている。雨が降らず、天気の良い日が続いたために、梅の完熟が例年になく進んでいる。需要の関係で、青梅のうちに出荷しなければならないので梅農家は大忙しである。兼業農家も多く、休日出荷になるので、日曜日出荷は、価格が下がりやすい。
我が家も、猫の額ほどの農地に梅が植わっていて、父から受け継ぎ仕方なしに梅を出荷している。厚生年金の加給年金に毛が生えた程度の収入にしかならないが、もう15年以上梅の兼業農家になっている。定年退職して、専業農家ができるほどの規模と体力はないから、今後どのように梅栽培を続けるかは、考えないといけない。
息子は、大の毛虫嫌いで、一度大変な思いをしたというので毛嫌いしている。弟は中途半端に枝を切る(剪定のこと)のをやめて、下から切ればよいと、梅栽培をやめることに賛成している。そこで我ながら考えたのは、親から受け継いだ老木を切り若木を植えることにした。毎年少しずつ切って世代交代を図る。古木は、背丈が高く、収穫の効率が悪い。脚立を使うので、危険も伴う。高い幹は切ることにした。
多く収穫したいのは、やまやまだが、安全に集荷し易いことを一番にすることにした。梅の枝は、少なめに、そして低く。これが、我が家の梅栽培の今後の方針である。太陽光発電などに農地を転用せず、それなりの農民として老後を過ごすつもりである。農業は決して嫌いではない。年金生活者になるからこんな、安易な考えになるのかもしれない。そのうち、梅農家が少なくなって梅の値段も上がるかもしれない。
  

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2015年06月04日

クロネコヤマトの錯綜便

日本の流通は、他国と比べて良いと思っている。どこの国だか忘れたが、荷物が届かないこともあるらしい。先日、自分の農園でできた青梅を、福岡と静岡の友人に送ったところ、荷物が間違って静岡送りが、福岡に、福岡送りが静岡に輸送されてしまった。宅急便の会社から電話が入ったからわかったのだが、通知されなければ送り主には、わからなかった。ところが、このことを娘に話すと、荷物の配送状況が、インターネットで調べられるとのこと。早速、入力してみると、静岡の荷は、福岡に、福岡の荷は静岡に送られている。結果的には、無事送り先に届けられたのだが、静岡の荷は、2日遅れになってしまった。静岡の友人から電話が入り、クール便にして送ってくれたらしい。品物は、それほど傷みがなかったので安心した。贈り物で良かった。販売したものだったら値引きか無料にしなければならなかったところだ。ミスは、ミスだが最善の努力をしてくれたという気持ちは残った。
  

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2015年06月02日

長瀞渓谷(2015年5月)

五月後半、雨が降らない日が続いている。しばらくすれば入梅という季節にもかかわらずである。梅の出荷も始まっているが、せっかく友人たちが前々から計画してくれた長瀞散策に出かけることにした。この日も気温は、三十度を超えた。ただ、風が爽やかで湿度は低い。晴天で日差しは強い。


長瀞町は、群馬県境に接している。三波石で知られる藤岡市鬼石から山越えで行ける。長瀞を訪ねたのは、はるか昔である。小学生、あるいは中学生の時だったか記憶は定かではないが、半世紀前のことだと思う。天然記念物だから景観は変わっていないのだろうが、あらためて景勝地だということを実感させてくれる。
鬼石には、神流川が流れ、上流には長瀞に劣らない渓谷がある。古くから群馬は、仏教信仰が広まった地区であり、鬼石の浄法寺は、奈良時代に創設された古い寺である。唐から日本に渡ってきた、鑑真の高弟であった、道忠が開祖と伝えられている。今は、天台宗の寺になっているが、慈覚大師も道忠の流れを汲んでいる。下野出身の僧だったことも無関係ではないようである。道忠のような高僧が、東国の山深い里で仏教を広めたことは不思議である。
朝早く、高崎を出たので、お目当ての「長瀞ライン下り」の営業も始まっていない。売店が少しずつ開き始め土産物を見て回る。しゃくし菜漬けが人気があり、試食品を食べてみると、なるほど美味い。店の奥に用意されている健康茶を勧められ、しゃくし菜漬けを買ってしまった。商売上手ということだが、値段も手ごろで善意な店という感じがした。
「長瀞ライン下り」AコースとBコースがあって、Bコースを選んだ。岩畳という場所から下流に下って行く。所要時間は、二十五分程で、船頭さんの解説では、今日は流れが緩く、いつもよりも時間をかけて下ることができるのでお得だという。乗船料は、一六〇〇円である。瀞というのは、流れが緩く深い場所のことで、途中そうした所があった。この川は、荒川の上流で、流れに身を任せれば、二・三日で東京湾に出るという。船頭さん、二人いて前の人は竹竿一本で船を操っている。後ろで櫓を操っている人が、舟下りの解説者である。「村の渡しの船頭さん」ではないが、年恰好は還暦を過ぎている。さすが、熟練していて、安心して川下りができた。人工の船着場は、この渓谷が天然記念物なのでない。船は、トラックの荷台に吊り上げられ、上流に運ばれる。昔はどうしていたのだろう。


幹事の一人が、天然氷を食べさせてくれる店があるというので、長瀞駅近くの売店から、川沿いの木陰の道を歩くことにした。店は、上長瀞駅の近くにあり、阿左美冷蔵という老舗の氷製造業者である。テレビや、ネットで紹介されたことも人気に拍車がかかり、行列ができるほどだという。上長瀞駅の踏み切りを渡り、程近いところにあったが、看板があるわけではない。中庭に入ると大勢の人がいる。聞けば一時間半待ちということで、カキ氷を食べる前に熱中症にかかるリスクを考えれば、諦めて駅前の蕎麦屋さんで昼食にした方が正解だろうということで合意した。店には、阿左美冷蔵の旗があった。聞けば、天然氷ではないという。幹事の一人は、天然カキ氷に拘っている。長瀞駅の近くに支店があるという。昼食後、店に行くと行列はできているが、それほど待たなくとも食べられるという。さすが、美味い。値段もよろしい。一〇〇〇円のものもある。不思議と頭に痛みがこないとは聞いていたがそのとおりである。夏のような暑さの、五月最後の日に思いで深い体験ができた。幹事に二重に感謝である。




そのお礼というわけではないが、帰路、最近世界遺産になった群馬の絹遺産群の一つである高山社に案内することにした。富国強兵のもと、絹産業は国策のようになった。その養蚕技術を高め、指導したのが高山長五郎である。明治初期の建物が残っている。二階が蚕室になっている。我が家も養蚕農家であった時代があり、小学生の頃手伝いをしたことがあるので、懐かしくもあった。観光客のことも考え、急ピッチで駐車場や歩道が整備されているが、建設途中である。入館料のようなものはない。資料も無料。案内人もボランティア。案内人によれば高山長五郎の精神なのだという。この家で、無料で養蚕の技術を教えたのだという。てっきり、高山長五郎は、庄屋の息子だと思ったら武家だという。高山彦九郎を連想したが、詳しく調べたわけではないが無関係ではないようだ。遠い祖先で繋がっているという。写真嫌いというより、目立つのが嫌いな人物だったようだ。一枚だけ写真が残っている。なかなかの美男子である。
「生まれた年は、吉田松陰と同じです」
文政一三年(一八三〇)に生まれ、明治一九年(一八八六)に亡くなった。「花燃ゆ」が放映されている。この時代と重なっているのである。最後に立ち寄ったのは、藤岡インターの近くにある道の駅、数日分の買い物ができたと喜ばれた。
  

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