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2020年08月16日

『高浜虚子句集』より(北風)

             北風や石を敷きたるロシヤ町

満州旅行での作品。
当時、日本では道路を舗装するという考えが少なく、砂ぼこりで大変だったに違いない。
ロシヤ人が住んでいる地区の道路は石が敷き詰められているのが印象的だった。
  

Posted by okina-ogi at 17:52Comments(0)書評

2020年08月15日

『高浜虚子句集』より(落葉)

ひらひらと深きが上の落葉かな

満州旅行帰路作
しきりと落葉の音がする。その落葉は相当に積もっている。
海外でよく見る風景だが、その落葉の深さ(量)に感じ惹かれるものがある。
  

Posted by okina-ogi at 19:17Comments(0)書評

2020年08月14日

『高浜虚子句集』より(冬帝)

          冬帝先ず日をかけて駒ヶ岳


駒ヶ岳は北海道の大沼に近い山を呼んでいる。
カブトムシのような山で記憶に残っている。
冬帝 (冬の神)はこの山に冬日を当てている。
  

Posted by okina-ogi at 20:40Comments(0)書評

2020年08月13日

『高浜虚子句集』より(萩の露)

              やうやうに残る暑さも萩の露


残暑も徐々に弱くなってきた。
はぎのつゆを見ると一層その感がある。
秋の入り口といってよい。
  

Posted by okina-ogi at 19:27Comments(0)書評

2020年08月12日

『高浜虚子句集』より(扇)

              我を指す人の扇をにくみなり

この句の前に、扇鳴らす汝世辞も亦よろし。
とある。
扇子をパチリパチリやっている時は、話も仕事もきにならないが、扇を直接向けられると、いやな気分になる。
  

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2020年08月11日

『高浜虚子句集』より(渡り鳥)

               木曽川の今こそ光れ渡り鳥

渡り鳥が木曽川を渡っていく。
川を渡る瞬間、太陽の光が川面に反射して照ってほしいと願う。
渡りたちへの別れの合図である。
  

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2020年08月10日

『高浜虚子句集』より(小鳥}

             大空に又わきいで小鳥かな

群れで行動する小鳥は幾度もこちらにやってくる。
また行ったと思うと戻ってくる。
群れが近づいて時の感じがわきいづるという表現になった。
  

Posted by okina-ogi at 20:30Comments(0)書評

2020年08月08日

『高浜虚子句集』より(蝙蝠

すたれ行く町や蝙蝠人に飛ぶ


今日めったに蝙蝠を見ることはない。
あったとしても蝙蝠と判別できる人は少ない。
蝙蝠は夜行性で夕方から飛ぶ。
夜は洞穴のような場所で過ごす。
すたれた街に蝙蝠の組みあわせが合っている。
  

Posted by okina-ogi at 19:50Comments(0)書評

2020年08月05日

『高浜虚子句集』より(山葵)

                 ほろほろと泣き合う尼や山葵


ほろほろと泣くのが良い。
鳴くのは女性でなければならない。
上品な尼がこらえんばかかりに鳴いている。
「辛い」などとは口に出さない。
  

Posted by okina-ogi at 10:37Comments(0)書評

2020年08月02日

『高浜虚子句集』より(藤)

            裏山に藤波かかるお寺かな


田舎のお寺などは、山を背にして建てられていることが多い。
この寺も山が背にある。
だからこの藤は仕立てられた藤ではない。
波を打つようないきおいもある。
枯山水の池があると、一段と景色が冴えて見える。
  

Posted by okina-ogi at 13:04Comments(0)書評

2020年08月02日

『高浜虚子句集』より(蛇)

             老僧の蛇を叱りて追いにけり

虚子の句には蛇が良く登場する

穴を出る蛇を見ている鴉かな
蛇逃げる我を見し眼の草に残る
など。
流石僧は殺生はしない。
叱りるつけるというところが良い。
  

Posted by okina-ogi at 06:28Comments(0)書評

2020年08月01日

『高浜虚子句集』より(牡丹)

              白牡丹といふといえども紅ほのか


虚子の代表作の一つである。
白い牡丹が咲いているなと通り過ぎるのが普通だが、うっすらと紅の色があることを発見した。
  

Posted by okina-ogi at 09:40Comments(0)書評