2012年08月31日
心に浮かぶ歌・句・そして詩③
西東三鬼という俳人がいた。明治に生まれ、戦後亡くなった。岡山県津山市の出身で、大学時代の友人にお墓に案内してもらったことがあった。彼も津山市の生まれで、俳句を若い時から嗜んでいる。その墓に刻まれた句が
水枕 ガバリと寒い海がある
であった。30代、肺疾患で病床に伏した時の作品で、彼の出世作であり、自信作であった。「ガバリと寒い海」という表現が斬新的な表現だという評価を得たのである。
西東三鬼の句集に目を通したことがあるが、かなり昔のことで、口ずさむ程の句ではないから好きな句の中には入れられないのだが、戦時中、思想的な弾圧により句作を中断した後、戦後の混乱期の句が「りんごの歌」のように希望に満ちているように感じた。彼の生涯は、優秀な兄達へのコンプレックスと、甘やかされて育ったこともあり、屈折して暗い印象があるが、明るいものもあった。
大仏殿 いでて桜にあたたまる
身に貯へん 全山の蝉の声
いずれも、奈良滞在の時の句である。
水枕 ガバリと寒い海がある
であった。30代、肺疾患で病床に伏した時の作品で、彼の出世作であり、自信作であった。「ガバリと寒い海」という表現が斬新的な表現だという評価を得たのである。
西東三鬼の句集に目を通したことがあるが、かなり昔のことで、口ずさむ程の句ではないから好きな句の中には入れられないのだが、戦時中、思想的な弾圧により句作を中断した後、戦後の混乱期の句が「りんごの歌」のように希望に満ちているように感じた。彼の生涯は、優秀な兄達へのコンプレックスと、甘やかされて育ったこともあり、屈折して暗い印象があるが、明るいものもあった。
大仏殿 いでて桜にあたたまる
身に貯へん 全山の蝉の声
いずれも、奈良滞在の時の句である。
Posted by okina-ogi at 12:36│Comments(0)
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