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2012年09月01日

心に浮かぶ歌・句・そして詩④

 万葉集は、秀歌の宝庫。岩波新書には、斉藤茂吉の『万葉秀歌』という著書もある。
多くの人が、第一人者としてあげるのが柿本人麻呂である。付和雷同ということではないが、人麻呂の歌は心に沁みてくる。

 東(ひんがし)の野にかげろいの立つ見えて かえりみすれば月かたぶきぬ

大自然の営みを見事に描写している。民家などは、視界にない奈良時代の風景を想像したい。蕪村の「菜の花や 月は東に日は西に」は、季語が示すとおり、季節は春の夕の風景を詠んでいるのとは違い、冬の早朝の風景を捉えている。きりっとしまった感じとリズムが心地よい。こうした感覚は、理屈ではない。
 人麻呂の句で好きな二句を加えたい。

淡海の海夕波千鳥汝が泣けば 心もしのに古想う

もののふの八十氏河の網代木にいざよう波の行方知らずも


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Posted by okina-ogi at 07:00│Comments(0)日常・雑感
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