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2012年09月19日

椰子の実    島崎藤村

心に浮かぶ歌・句・そして詩20

椰子の実    島崎藤村

名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ

故郷(ふるさと)の岸を 離れて
汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)

旧(もと)の木は 生(お)いや茂れる
枝はなお 影をやなせる

われもまた 渚(なぎさ)を枕
孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ

実をとりて 胸にあつれば
新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい)

海の日の 沈むを見れば
激(たぎ)り落つ 異郷(いきょう)の涙

思いやる 八重(やえ)の汐々(しおじお)
いずれの日にか 国に帰らん

この詩は、曲になっているが、この詩の発想を得たのは、民俗学者で知られる柳田國男の話を聞いたことによる。柳田國男が東京帝国大学の学生だった頃、伊良湖崎に療養していたことがあった。浜辺に打ち上げられた椰子の実が南の海から遠い旅をしたことに、いたく感激したことを藤村に話すと、それを詩にしてしまったのだ。柳田の了解はとったが、後に彼が著述しなければ、藤村の創作で通ってしまったかもしれない。柳田國男は、若い頃から詩を作り、島崎藤村とも交流があった。


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