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2012年09月28日

高杉晋作辞世の歌

心に浮かぶ歌・句・そして詩27
幕末の志士で、30にも満たない破天荒な人生を送った人物がいる。高杉晋作である。長州藩の上級武士の家に生まれたが、時は激動の時代。吉田松陰という、まれにみる純粋思想家、活動家、教育者に出会って革命児になった。
幕末、明治維新の先鋒となった藩の一つが長州藩である。下関市街地の隣が長府で、ここに江戸時代、長州藩の支藩である長府藩庁があった。下関は、長府藩に属していた。商港として栄え、この町が産んだ富が倒幕を支えたであろうことは想像に易い。
真っ先に訪ねてみたいところがあった。功山寺である。昭和五十二年にNHK大河ドラマ「花神」(司馬遼太郎原作)を見て以来、雪の功山寺を馬に乗って、一人明治維新の義挙ともいうべき行動を起こした高杉晋作のことが忘れられなかったからである。都落ちしていた三条実美らの公家にその意思を告げるためだったというが、彼は、その時「長州男児の心意気をお見せしましょう」と言ったという。九月、山門に至るモミジは緑を失っていなかったが、門をくぐると晋作の騎馬像が右手にあった。識見あり、詩才あり、行動力あり、その発想も破天荒で革命児にふさわしい。三十年に満たない人生を思い切り駆け抜けたという感じである。自分にないものを持つ人には憧れを持つものである。
高杉晋作は、最後は、結核となり病床の内に亡くなる。辞世の歌が残っている。

おもしろきこともなき世をおもしろく  棲みなすものは心なりけり
 
下の句は、勤皇歌人、野村望東尼がつけた。高杉晋作は、満足するかのように息を引き取ったという。二人の合作ということだが、

西に行く人を慕いて東行く わが心をば神ぞ知るらん

西に行く人は西行、彼は東行と称した。これは、彼の歌である。


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