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2012年10月09日

岡潔博士と中谷宇吉郎の連句

心に浮かぶ歌・句・そして詩34
岡潔先生と生前何かしらのご縁があり、今もって人生の師と考えている人達の集い「春雨忌」では連句が行われるようになっている。焦門の連句は有名であるが、その意味が少しずつではあるが分りかけてきたような気がする。
五七五の発句があり、次の人が七七と続け、四季と場面を変えながら、前の人々の情緒に配慮しながら、三六回で終る。それを一巻とするのが連句であるが、途中に花や月の坐などがあって、約束事もある。風流と言うより、他者の心を慮るための訓練になる。
「自分を後にして他人を先にせよ」
と繰り返し語っておられた岡先生の教えの実践のようなものである。
「人は懐かしさと喜びの世界に生きている」
ということも連句によって実感できるような気もする。
岡先生の友人であった物理学者の中谷宇吉郎との連句がある。一部であるが

秋晴れに並んで乾く鯵と烏賊   虚雷
 蓼も色づく溝のせせらぎ    海牛
夜毎引く間取りをかしく秋ふけて 海牛
 さて目覚むれば烟草値上がる  虚雷

虚雷が中谷先生。去来にかけているのか、物理学者らしい号である。海牛が岡先生の号であるがユーモラスな名前である。名づけたのは中谷先生だったらしい。


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Posted by okina-ogi at 12:48│Comments(0)日常・雑感
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