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2012年10月14日

放浪の画家、俳人「小川安夫」という人

心に浮かぶ歌・句・そして詩41
最近、尾崎放哉のことを調べていたら、なんとなくこの人の名前を思い出した。お会いしたことはないが、長くお付き合いがある方から何度となく小川さんの話を聞いている。親しくしていた二人が、入院中の文化勲章を受章した数学者岡潔を訪問した。40年以上前のことである。小川さんは、野に咲く犬ふぐりを上手に花束にしてお見舞いした。その時の詳しい状況は、失念したが、飄々とした感じの人だったことが伝わってきた。
   昭和61年に51歳で亡くなっている。自殺だったと思う。小川さんは、高崎市の出身で、放浪のような生活をして、数寄屋橋で地蔵画を描いて有名になったらしい。そして、俳句も作った。尾崎放哉のように、自由律の俳句で、群馬県立土屋文明記念館で見たことがある。その句を許可を得て、コピーしていたのだが見つからず、小川さんが本(『遠い旅の詩―ある身障詩人の半生記』)を出版していることを知り、そこから代表的な句をとりあげてみた。小川さんは、尾崎放哉と同様、西田天香が創設した一燈園にいたこともあるようである。

手をふれると涙がでそうなふるさとの木
生家に花梨の木があった。7歳の時に癌で亡くなった母親の思い出が詰まっている。
あるだけのものを着て寝て月夜
終戦直後の彼の家は、貧しかった。
信じあっている青空に山が出ている
青空までとどけよいのり
冬の海風ばかりぼうぼう
雲ながれて水ながれて春の夢
ふるさとは遠く夕焼け
遠きわかれに祈りあって青空
小川さんは、空が好きだった。とりわけ青空が。そこに吹く風、流れる雲に一人旅の淋しさを癒した。


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