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2012年11月16日

『ちょっと一言』  五十嵐哲夫著 

『ちょっと一言』  五十嵐哲夫著 (株)ラジオ高崎  非売品

休みの日、少し本棚を整理しようとしていたら、この本が市販の単行本に隠れるようにしてあった。しばらく、どこにしまい込んでいたかと見つからずにいたのである。この本は、市販されていない。五十嵐哲夫さんが群馬銀行の役員をされていた頃に、群馬銀行の広報誌に連載したものを、友人である(株)ラジオ高崎の社長さんが編集出版したものである。教養と人生観、何よりも人間性が素晴らしく、勤務する法人の理事をしていただいていた関係もあり、贈呈していただくことができた。今は、故人となられてお話することもできないが、この本を座右の書として今後は机の近くに置こうと思っている。発行年月日は、2001・8・23となっていて、自筆のサインも入っている。書評などということでなく、著者の文章をそのまま掲載する。付せんが貼ってある部分でもある。

「優しさ」
若い女性に理想の男性像を聞くと、たいてい「優しい人」の一項目が入ってくる。北風に向かって歯を食いしばっているような男性は概して好まれない▼本当の「優しさ」とは何であろうか。「優しい」という字を分解すると「人」と「憂い」である。つまり人の憂いのわかる人が「優しい」のである。人間それぞれ多かれ少なかれ重荷を背負って生きているものである。他人の重荷、即ち「他人の憂い」のわかる人、相手の立場に立って考えられる人こそ真の「優しい人」なのである▼兼好法師は「身強き人を友に持ってはいけない」と言っている。自分の考えは絶対と思っている絶対正義論者ではいけないのである。相手の立場のわかるということは、相対正義論者でなければならない▼多くの取引先の理解を得る銀行員とは、真の「優しさ」を持っているものである。ある社長は「懐かしい銀行員がいる」と言っていたが、それは「優しい人」を指している。

他のページにも付せんがはってあって、その内容はエピソード風に紹介する。タイトルは「十字架」である。五十嵐さんが、社会党議員であり、連合赤軍事件の弁護士をした角田儀平治氏の葬儀に参列した時、長男の社会党代議士の義一氏が、ある会合で「これからみなさんといっしょに十字架を背負っていきましょう」と話したことを、父親に話したところ、「十字架は一人で背負っていくものだ」と叱られたという葬儀での挨拶を取り上げて書いている。実に鋭い指摘である。角田儀平治氏はクリスチャンでもあった。


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この記事へのコメント
ヴルビックが安く買えて良かったです。年内には届かないと思いましたが届いて良かったです。リピしたい。
Posted by 激安DVD at 2013年03月29日 11:38
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