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2012年12月29日

「ミコちゃんの夢」

「ミコちゃんの夢」   作 石川郁代(花と話ができた人)

ミコちゃんが考えています。窓枠にひじをついて両手で頬を支えながら、外を見ているのですが、ミコちゃんの目は、うっとり夢を見ているようで、ひらひら舞っている蝶々が、ミコちゃんの髪の毛にリボンの様に止まったのに、それも気がつかないようです。

わたしが、もし風になれるとしたら・・・・。そよ風さんになりたいわ。そして春の野原に行って緑の草を波のようにそよそよ吹いてあげるの。そこに女の子が来て、わーいといって寝ころぶわ。緑の草が女の子のほっぺを、こちょこちょくすぐるの。女の子はいつのまにかあたたかいお日様の光をあびながら、眠ってしまうわ。そしたらわたし、お花畑からお花の香りを運んできてあげて、女の子のまわりをお花の匂いで一杯に包んであげるの。

それから、向こうの方を見ると、赤い屋根のおうちがあって窓があいていて、男の子がベットで寝ているの。そうだわ。わたし、今度は蝶々になるの。そして病気の男の子と楽しいお話をするんだわ。ひらひら飛んでレースのカーテンに止まるの。男の子は気がついてきっとこう言うの。

君、僕とお友達になってくれる?僕、外に出られないから、お外のお話たくさん聞きたいの。わたしは、部屋の中をひらひら舞いながらお日様の話やお花畑の話や風さんの話をたくさんしてあげるの。そして二人はとっても仲良しになるの・・・・。

その時、お勝手の方からママの声が聞こえてきました。
「ミコちゃんおやつですよ。手を洗っていらっしゃーい」
 
ミコちゃんの夢が終わって、いつもの顔に戻りました。そして大きな声でお返事しました。
「ハーイ。ママ。すぐいくわ」
ミコちゃんが窓辺を離れたら、その時髪に止まっていた蝶々がひらひらと飛び立って、ゆっくり外へ飛んでいきました。ミコちゃんは
「あ、蝶々」
と言って立ち止りました。蝶々はひらひらひらひら春の光の中を飛んでいきました。

この作品は、横須賀で保育をされていた石川さんが、園児に読み聞かせようとして作った短編童話です。この園には、小泉元総理の御子息、孝太郎さんと進次郎さんが通っていたということです。平成5年5月7日の日付が書いてありました。


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