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2012年12月30日

『新美南吉童話集』  

『新美南吉童話集』   千葉俊二編    岩波文庫   735円(税込)
『新美南吉童話集』  
新美南吉の生れたのは、大正二年である。西暦に直せば一九一三年だから、生きていれば来年で100歳になる。本名は、渡辺正八といった。兄が夭折し、その名前を受け継いだ。母親は病弱で、新美南吉が四歳の時に死んだ。奇しくも亡くなった時の年齢は、新美南吉と同じである。新美姓になったのは、祖母の住む母親の実家に養子に入ったからである。一人さびしい少年時代であったことは容易に想像できる。また、彼の童話にもそれを感じさせるものがある。新美南吉の父親は再婚し、継母の間に弟が生まれている。その継母は、一度は離婚し、また入籍するという複雑な事情もあった。小学校、中学校と成績が優秀であった少年には、微妙な心境を与えたことであろう。
 この童話集には、「ごんぎつね」、「おじいさんのランプ」、「手袋を買いに」、「花のき村と盗人たち」などが収録されている。


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Posted by okina-ogi at 10:06│Comments(0)書評
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