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2013年05月24日

『福祉を廻る識者の声』5(古瀬徹)

技術の進歩を老人介護にも           古瀬 徹
 先日お邪魔した九州のある老人ホームでは、栄養士さんがよくやめるというお話でした。そこでは、オフイス・コンピューターを導入されていてメニュー選択、カロリー計算が瞬時にできるプログラムが組み込まれていますから、ふつう栄養士さんがされる仕事は機械がやってくれるのです。そして、その栄養士さんには、寮母さんと同じようにお年寄りの世話をしてもらっているということでした。
 今の職員数で、十分なお世話をするのはとても無理だから、園長さん以下率先して、直接処遇にむけているということでした。
 お年寄りのケース記録には、コンピューターを使わないというご方針を採っておられるのには感心しました。文明の利器を使いこなして、それで浮いた力をお年寄りのお世話に注ぐけれども、プライバシーの点から、やってはいけない分野があるというお考えは、筋道がとおっていると思いました。
 これからは、老人ホームに勤務する人達の労働条件を一層改善していかねばなりませんが、他方、若い人達が少なくなりますから、機械によって合理化できる部分は工夫を重ねていくことも重要な課題になってくると思います。
 こういう観点で、私はおむつの問題に関心を寄せています。
 ここ数年、現場から問題提起されていますように、離床を図り、リハビリをするなどおむつを使わないですますように老人ホームでの処遇全体のやり方見直すことがまず重要です。
 しかし、中には、どうしてもおむつを使わざるを得ない場合がでてきます。最近、品質の向上してきた紙おむつなども、まだコスト的には高いようですが、女性の生理用品の改革があったように、いずれ欧米なみに、使い捨ておむつの時代がくるのではないでしょうか。品質の基準や廃棄システムなどを含めておむつ問題と取り組んでみようと思います。
 第一線で日夜ご努力されている皆様方からのご提言をお待ちしています。
 古瀬徹(ふるせとおる)。厚生省社会局老人福祉課長。 (昭和五十九年・春号) 


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