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2013年05月26日

『福祉を廻る識者の声』10(桜井美国)

尽す                     桜井美国
 私の友人がこんなことを言いました。
 多分私が、何か問題を抱えていて、愚痴の一つもこぼした時だったのでしょう。〝今、自分が置かれている境遇に不満があるとしても、それは自らが望んでそうなったものと思うべきだ。問題にぶつかっているとしたら、それは天の試練を受けていると考えるべきだ。
 世の中がいまほど幸せと考えるか、それとも身の不運を嘆き悲しむか、それはその人の心の持ちようとでもいうのでしょうか。
 私事ながら、今から三十数年前、胸を患って榛名荘病院にお世話になりました。
 今で言えばガンになったようなもので、十八歳の年でもう自分には人生はないものと毎日毎日が、それはもう真っ暗でした。それを自ら望んだ運命と考えろと、そのとき言われたとして、受け入れることが出来たでしょうか。幸い、今自分が健康で、幸せだから、友のそんな言葉をなるほどと思えるだけじゃないでしょうか。
 私は宗教に暗いほうなので良く分かりませんが、きっとキリストの教えの中にも、仏教の教典の中にも、同じような教えがあるのではないでしょうか。私が当時救われたのは、私より重い患者の人が、私を勇気づけて下さったことでした。今から思えば、私はそのときの境遇に嘆き悲しむばかりで、自分よりもっと辛い立場にいられる人のことを考えることができなかったのです。
 こう考えると友人の言葉は、理解することが出来ます。世の中の決して幸せといえない人々のことに、思いをよせよう。もしも自分が不幸だと思うなら、それは自分で望んだこと、望まずに不幸になった人の力にこそなるべきだ。
 私の伯父が、今年米寿を迎えます。その伯父が、これからも人のために尽したいと言っています。原先生の御一生もまさに人のために、捧げていられると、常々敬服しています。
 桜井美国(さくらいよしくに)。桜井機械販売株式会社社長、社会福祉法人新生会理事、同後援会副会長、父君故桜井隆三氏の代よりの理解者、後援者。           (昭和六十年・夏号)


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