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2013年05月30日

『福祉を廻る識者の声』14(平井俊策)

温故知新                   平井俊策
わが国の平均寿命は年々目覚しく伸び、遂に男女共世界一に達しました。北欧長寿国のレベルに今世紀末には追いつきたいというのが目標でしたから、まさに驚異的な伸びといえましょう。養生訓で有名な江戸時代の儒者貝原益軒は、「五十にいたらずして死するを夭という。是また不幸短命というべし」といっております。今日から見れば当然ですが、人生五十年といわれ実際に平均寿命がそれ以下だった当時の事を考えると、「人の寿命は養生次第でもっと伸びる筈だ」という彼の信念と啓蒙的な考えがその裏にあったものと思われます。
さて寿命が伸びた事は喜ぶべき事ですが、活動的で生きがいのある老年期ででなければ余り意味がありません。このためには、まず、いくつになっても何らかの目的を持ち、自らふけこまないようにすることが第一です。富嶽三十六景などを画いた江戸末期の浮世絵師葛飾北斎は、「己六歳より物の形状を写する癖ありて半百の頃よりしばしば画図をあらわすといえども七十年画くところ実に足るものなし、::八十歳にしてますます進み、九十歳にしてなおその奥義を極め、一百歳にして::」と記していますが、まさにその意気込みを見習いたいものです。益軒は八十四歳、北斎は八十九歳で世をさりました。
このように気を若く持つことと共に平生から健康に気をつけておく事が活動的な長寿の道です。これまた江戸時代の俳人である横井也有は、健康の秘訣として、「少肉多菜」、少塩多酢、少糖多果、少食多齟、少衣多浴、少車多歩、少煩多眠、少忿多笑、少言多行、少欲多施」をあげています。現代医学からみて実に素晴らしい十訓です。今日の寿命の伸びが医学の進歩に負うものであるであることはもちろんであり、必要に応じその助けを借りる事は大切ですが、その前にこれら先人達の教えに耳を傾けてみることも必要なのではなかろうかと思う次第です。

平井俊策(ひらいしゅんさく)。群馬大学医学部。一九六六年東京大学医学部卒。同大学院、第三内科、老人科を経て一九六九年四月より現職。専攻・神経内科。 


老人の声                (昭和六十一年・夏号)
〝論壇〟に原稿を寄せていただいた古瀬徹氏は、厚生省の第一線を自ら辞して、老人福祉の研究者の道を選んだ人。その決断は実に潔く爽やかである。氏は、地味にかつ几帳面に、福祉の現場の声に耳を傾けておられる。老人ホームの職員の質を高める上で、計り知れぬ役割を果たしている『老人生活研究』は、氏の貴重な研究資料と聞く。また、全国老人施設大会の研究討議に高い評価を与えられている。
〝理論と実践〟の統合。氏の研究は老人の仕合わせに確とつながっている。七月六日は衆参同日選挙。各立候補者の選挙カーが連日街頭を走って票獲得に凌ぎを削っている。新生会の入居者は四百人に近い。新生会は、小さな町の大票田である。各人の貴き一票を明日の仕合せ、福祉の前進のために大切に投じたい。これを受ける政治家には、誠実さを望む。老人の声は、天よりの声である。(翁)


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