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2013年07月12日

『福祉を廻る識者の声』62(柏木哲夫)

老いへの適応                 柏木哲夫
 老いを自覚したとき、それをどうとらえるかに個人差がある。ライチャードは老人の適応のパターンを、円熟型:人生の体験を統合して、周囲の人々の中に自分の果たすべき役割を発見し、それを遂行していくタイプで、指導的立場を維持し続ける、安楽椅子型(自適型):周囲と一定の距離を置きつつ、自分の生甲斐を見つけだして、満足感いだいて生活するタイプ、逃避型(防衛型):老いた自分を守り、自分をおびやかすものから遠ざかる、憤慨型(外罰型):生活上の不満や悩みが多く、そのはけ口を自分以外のものに向ける、自己嫌悪型(内罰型):不満や悩みが多い自分に嫌悪をいだく、の五つに分けている。
 適応の問題を考える時大切なことは、それが老人を取り巻く人々との相対的な関係で決まるということである。たとえば老人によくみられる「かたくなな態度」は、その老人の価値観や考え方に対する周囲の無理解や軽視に原因しているかもしれない。したがって、老人の適応は同時に周囲の人々の老人に対する適応の問題でもあるのである。
 その次に大切なことは、適応の問題に価値づけをしないということである。たとえば
自適型の人は表面上は精神的に安定しているが、背後に人生に対するあきらめが存在するかもしれない。憤慨型の人は常に葛藤に悩み、周囲とのトラベルが絶えないかもしれないが、その人にとっては、それが最も自分に忠実な生きかたかもしれないのである。
 多くのお年寄りに接してきて、私はもう一つの感謝型の適応があると思う。自分のこれまでの人生と現在に感謝できる生き方である。
 いずれにしても、人は生きてきたように老いていく。まわりに不平をいいながら生きてように老いていく。まわりに不平をいいながら生きてきた人は、不平を言いながら老いる。生き方が老い方を決めるのである。私は個人的には感謝型の老い方をしたい。そのためには、今から自分のおかれている人間関係や環境に感謝する習慣をつける必要がありそうである。
 
柏木哲夫(かしわぎてつお)。一九三九年兵庫県生まれ。大阪大学医学部卒。淀川キリスト教病院名誉ホスピス長。大阪大学人間科学部教授。                              (平成十一年・冬号)


新島襄                  (平成十一年・冬号)
同志社大学の創立者新島襄は、今から約一五〇数年前の一月に生まれた。墓地は、京都東山にあって夫人や校僕松本氏と墓石を近くして眠っている。新島襄は、武士道に清教徒的紳士道を身につけ、天来の人柄もあってか熱情の人でありながら、謙虚で礼儀正しかった。地位、身分にかかわらず、誰に対しても〝さん〟づけだった。奥さんは〝八重さん〟と呼び、松本五平氏は〝五平さん〟であった。
原正男名誉理事長は、職員に対しては、役職名はともかく誰にも〝さん〟と呼んでいる。現理事長はさらに徹底していて、若い職員から〝慶子さん〟と呼ばれてもそれが自然と思っている。人格と人格の尊重、その上に組織の人間関係があるというのが新生会の伝統である。新島があるとき生徒に「新島さんと呼んでください」と言ったが、生徒は承知しなかった。〝先生〟と呼ばれる人はこのような人であろう。(翁)


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