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2013年07月18日

『福祉を廻る識者の声』68(住谷正巳)

福祉と芸術                  住谷正巳
 雄大な榛名高原に広がる、新生会の老人福祉施設の中でも、穏和の園は、一歩先に踏み入れると、モダンアートミュージアムを思わせる建物です。玄関ホールから各階の壁面に至るまで、絵画や彫刻が、心地よく展示されていて、ここでは、作品とのふれあいは、日常生活に溶け込んでいるという印象を受けました。
 原慶子先生は、施設の特色を「福祉に芸術を」という言葉で、熱っぽく語られています。これは全国的にみても、大変ユニーク発想だと思います。
 この度、私の作品「風の十字架」が、中庭の芝生広場に設置されることになりました。高さは約二メートル五十センチ程で、二十二枚のステンレスの円板が、十字架の形に空間に構成されていて、風でゆらゆらと回転します。作品の創作意図は「或る日、穏和の園で起きたちいさな奇跡。風で舞い上がった木の葉が偶然作りだした十字架」です。若葉が芽吹きはじめる来春五月頃には完成する予定です。
 新生会の広報誌をめくっていたら故原正男先生が、遺言書の中で「地球市民祈りの家」を是非実現、維持するように書き遺されている記事に目が止まりました。先生が、苦難と栄光の九十二年の生涯の到達点で思念された構想は、完成すれば、新生会のシンボルとして、大きな関心を呼ぶものと思われます。
 私がこのことと関連して思うことは、彫刻イサム・ノグチのことです。彼は晩年、しばし自分を「地球人」と呼び、世界各地に設置されている自作の彫刻を「未来の贈物である」と語っていました。
 二人に共通する人類共存への熱い思いには、あらためて深い感動を覚えます。
 敬虔な信仰心と芸術の創造力を信頼している原慶子先生が、二十一世紀に向けて「福祉に芸術を」をモットーに、メッセージを発信し続けてほしいと願っている一人です。

 
住谷正巳(すみやまさみ)。一九三六年、群馬県群馬町に生まれ。彫刻家。個展多数。モニュメントは、グリーンドーム前橋外全国各地に制作。                (平成十二年・夏号)


十七歳の犯罪               (平成十二年・夏号)
いわゆる〝十七歳の犯罪〟が社会の関心を集めている。五月連休中に起こった二つの事件は象徴的である。共通していることは非情だということである。「申し訳なかった」という謝罪がない。
およそ殺人を犯せば、時間が立って自責の念に苦しむのが本来の人というものだと思う。それ以前に、「他人が喜んでいれば嬉しい。悲しんでいれば悲しい」というのが人の在り方であって、そうでなければ集団生活もないし、社会の安定、さらには人類の向上もない。
何が間違っているのか。教育や社会が悪いというのは簡単である。何よりも強調すべきは、人の心の中核は、情なのであって、決して知識や欲望ではないということである。知情意のうち、知や意は情を納得させられない。福祉を目指す同世代の若者が、生き生きしているのは〝人の気持ち〟を考えているからだろう。(翁)


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