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2013年07月26日

終の住み家を老人ホームに定めた人々5

老化必ずしも悪ならず   中田はるさん(昭和六十一年・秋号)
 中田さんは、二年前の六月、八十歳を越えて、バルナバ館に入居した。子供達は反対したが、榛名定住の決意は揺るがなかった。
 「ここには、(人間関係の)煩わしさがない。住む人は、皆わかった人ばかり」
〝煩わしい監督なしに自己完結型の老後〟の経営理念に共鳴する一人でいらっしゃる。入居の年の八月の健康相談で、肺癌と診断された。自覚症状は、全くなかったという。
 「癌の病巣は幾何学的構造をしておりました。大きさは百円玉位。周囲がレンガで囲ったようになっていて、内部は細い線で粒状に仕切られているんです」
まるで他人事のように、初めて癌を見たときの印象を語ってくれた。
 二カ月程東大病院に入院したが、毎日新規な検査に出合い楽しくてしかたがなかったという。中田さんが話し出すと、深刻な事もそうでなくなってしまう。
 摘出手術は成功した。今はいたって健康である。
「同窓会のとき、癌と知らされすぐに手術を受けた友人と手術跡を見せあったことがある。そうしたら、彼女も同じようなところに傷があった。それは同じ手術だったのでしょうね。そのときは、お互いに顔を見合わせてつい笑ってしまった」。
 「〝癌の宣告〟についてどう思いますか」という問いはこの方には全くの愚問であった。
 「八十歳を越えると、物の見方が変わって楽になりますよ」という中田さんは、生命というものを肯定的に捉え、尊び、生きることへの感謝を忘れない。〝老化必ずしも悪ならず〟という思想もお持ちでいらっしゃる。最近少し視力の衰えたことも苦にされる様子はない。
 榛名春光園の相談室で、紅茶をご馳走になったが、終始若々しく、さわやかなお話にすっかり魅せられてしまった。カメラを向けると「若く撮ってくださいよ」とにこやかにおっしゃった。(翁)


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