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2013年07月27日

終の住み家を老人ホームに定めた人々6

軍国主義下の青春     淡輪(たんなわ)憲二さん(昭和六十二年・春号)
 淡輪さんの趣味は囲碁である。週に二・三日は、高崎の碁会所、近くの囲碁仲間を訪ねて外出する。囲碁は、中学校のとき、他人の対局を見ているうちに自然に覚えたという。熱中したのは会社勤めの頃。
 「僕は、会社時代から人の言うなりにならないところがあって、碁の打ち方にもそんな性格がよく現れている」四十代で初段の免状をとった。
 淡輪さんの父君は、海軍主計中将であった。
「目つきが鋭い人で、周囲はいつもピリピリしていた。子供からみたらコワイ父親でした」と柔和な表情で気さくに語る淡輪さんから厳格な父君の姿はとても想像できない。英国での滞在が長かった父君は、女性を大切にする人で
 「母はよかったでしょうね」という。これは、その後の淡輪家の家風となり京子夫人も異論はないようである。
 淡輪さんの青春時代は、日本が軍国主義への道を選択しつつあった時代と重なる。旧制福岡中学、福岡高校を経て東京帝国大学法学部に進んだが、この間に五・一五事件、二・二六事件が起こった。特に二・二六事件に加わった青年将校の一人常盤(ときわ)少尉は旧制中学時代からの友人であった。事件の四日前に一緒に酒を飲んだとき、少しも変わったところがなく事件を聞いて耳を疑ったという。
淡輪さんはリベラリストであったが、その頃から自由の学府も右寄りの学者が支配するようになった。まさに軍国主義下の青春である。
 マリヤ館にはプラム会という自治会があるが、こちらの方は奥様まかせである。「ここには、いろいろな職業の人が集まっている。一種のゲマインシャフトだから運営は民主的にやらねばなりません。顔役を作らない当番制にしたのは良かった。」自由で拘束のないマリヤ館の雰囲気作りに貢献したお一人である。(翁)


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