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2013年09月28日

『岡潔とその時代』

『岡潔とその時代』 高瀬正仁著 みみずく社 3800円+税
 『岡潔とその時代』
 副題がついていて、評伝 岡潔 虹の章となっている。さらに本はⅠ正法眼蔵、Ⅱ龍神温泉の2冊になっている。ページ数は、584である。年譜が別になっている。著者は、数学者で九州大学に籍を置いている。既に、岡潔の一連の評伝を執筆している。『評伝岡潔 星の章』、『評伝岡潔 花の章』がそれである。驚いたことには、旧かなづかいと旧字で書かれている。出版社はともかく、戦後の国語教育を受けた著者にとって大変な苦労があったことを想像したのである。
 著者には、記憶では三度お会いし、歓談したことがある。平成7年に岡潔の評伝を書くことを思い立ち、資料収集、足跡を追い、関係者の取材をしながら、数学を専門分野とする人間の目から大作を仕上げた。あとがきには、さらに書き続けたい意欲を記している。最初の評伝『評伝岡潔 星の章』を出版する前の、資料原稿を送っていただいたことを覚えている。あれから17年、まさにライフワークとなっている。
今回出された評伝は、文化勲章受章から亡くなる晩年の岡潔の交友関係と思索の模様が描かれているが、世間に良く知られている小林秀雄との対談『人間の建設』の背景は、興味深く読むことができた。
 Ⅰ正法眼蔵を読み終えた後、お礼の電話を兼ねて感想を申し上げたら「値段も高いし、旧かなづかいと旧字になっているのであまり売れないかもしれないが、逆に購入してくれる人には、本当に自分の気持ちが伝えられるから、販売部数が少なくて良いと思っている」という意味のことを話された。
 Ⅱ龍神温泉も今日(9月28日)読了したが、岡潔の年譜としては、高瀬氏のもの以上の詳細なものを知らない。
『岡潔とその時代』



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Posted by okina-ogi at 11:31│Comments(0)書評
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