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2013年11月21日

音楽茶房「あすなろ」の再開

 音楽茶房「あすなろ」の再開
 今年の6月に高崎市の商店街に茶房「あすなろ」が再開した。NPO法人「高崎まちなか教育活動センターあすなろ」(市川豊行理事長)が運営し、高崎経済大学の卒業生が店長になり、現役学生の有志が店に出るという。   店内では、ミニコンサートが随時企画され、コーヒーを飲みながら鑑賞することができる。詩人崔華國の始めた「あすなろ」がどのように継承され発展するかという期待がある。
 県立土屋文明記念文学館で「あすなろと崔華國」と称する企画展が、9月16日まで開催された。高校時代、「あすなろ」の存在を耳にしていたが、一度も行ったことはなく、高校生にとっては禁断の場所、あるいは、不良学生のたまり場のような気がしていたのだが、大変な誤解だったということを企画展を見て認識した。
 崔華國という人は、朝鮮半島から日本に渡ってきた。昭和30年代に上映された「ここに泉あり」に共感し、高崎に定住して喫茶「あすなろ」を開館した。詩の朗読会を企画するだけでなく、「クラシック音楽の夕べ」では、群響の団員を演奏者に招いたりした。井上房一郎とともに、群馬交響楽団の運営、高崎市音楽センターの設立に尽力した丸山勝廣とは、肝胆相照らす友となった。
 丸山勝廣という人は、個性的というより情熱家であり夢を実現するだけの企画力と持続性があったのであろう。崔華國の晩年の顔は、好々爺に見える。二人は良く口論したが「死友」であり続けた。公憤という言葉がある。議論の内容は、自分以外のことが対象になっていたのであろう。音楽、文学、絵画といった芸術の中にある文化について語りあったのだろうと推測できる。「古来、詩のない民族は滅びる。そして夢のない個人もまた滅びる」という岸田國士の言葉を崔華國よく口にしていたという。そうしたことに関心を持つ人のサロンに「あすなろ」をしたかったのであろう。
 


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Posted by okina-ogi at 08:40│Comments(0)日常・雑感
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