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2014年03月20日

良寛さんにまつわる話(2)「酒買い」

「酒買い」
良寛と同じ書家で儒学者であった亀田鵬斎という人が良寛さんを訪ねて来たことがあった。二人は共感し語り合い友人になった。亀田鵬斎は酒好きで、良寛さんも酒は嫌いではなかったので、徳利を持って酒を買いに良寛さんが出掛けた。ところが何時間たっても良寛さんは帰ってこない。しびれをきらした亀田鵬斎は、良寛を捜しに出た。
坂道を下って行くと、見晴らしの良い場所に松が一本生えていて、その松の根元に坐っている良寛さんを見つけた。何をしているのかと声をかけると月を指して「素晴らしい月でしょう。あなたも一緒に見ませんか」と応える。酒を買う事など忘れて、数時間も同じ場所で月を眺めていたのである。亀田鵬斎は驚いたが、あまりにも美しい月なのでしばらく良寛と眺めていたが、
「ところであなたは、お酒は買えたのですか」と言うと、良寛はびっくりして立ちあがり酒を買いに大慌てで坂を下っていった。亀田鵬斎は、あっけにとられてその後ろ姿を見つめていた。
こういう良寛さんの話を聞くと、大数学者であった岡潔の伝説的なエピソードを思い出す。『評伝岡潔-花の章』に書かれている話である。戦後間もない頃、岡潔は教職から離れ、郷里の紀見村で百姓をしながら数学の研究をしていた。当時子供だった人の記憶を著者が取材した。紀見峠の頂上あたりで、朝太陽を見つめている岡潔の姿を目撃した。夕方また峠に行くと、同じ姿勢で太陽を眺めていたというのである。太陽が美しかったというより思索を続けていたのである。同じようなことがソクラテスにもあったことを、プラトンの著作集から引用している。


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