☆☆☆荻原悦雄のフェイスブックはこちらをクリック。旅行記、書評を書き綴っています。☆☆☆

2014年06月04日

『春』島崎藤村著 新潮文庫 590円(税別)




久しぶりに、島崎藤村の小説を手にした。タイトルがすっきりしているが、内容は青年時代の島崎藤村の苦悩が書かれている。古典と言われるような小説を読むのは、何十年ぶりという感じで、数学や俳句から遠ざかった人間のように、その世界にしたる感覚がなかなか戻ってこないのには、閉口した。
島崎藤村には、関心があるがその生涯と文学作品には、あまり触れていない。『破戒』と『夜明け前』は、読んでいる。文学に関心が強かった高校時代の頃だから、読後感はとうに消え去り、あらすじなどは覚えていない。
たまたま、群馬県立土屋文明記念館で田山花袋の企画展が開催されており、図書のコーナーにこの本があったので、手にしたということに過ぎない。同じ自然主義文学者でも、田山花袋の『蒲団』は読む気がしなかったのでこの本に手が伸びたのかもしれない。
今年の元旦、大磯に行き、島崎藤村が晩年過ごした家の前を通ったことも、まんざら無関係ではなさそうである。あまり深入りはしなくても、もう一冊くらい彼の小説を読んでも良いと思うようになった。『桜の実の熟する時』という作品である。
小説『春』に登場する人物は、明治女学院で教師をしていた頃の友人達で、とりわけ北村透谷と教え子の佐藤輔子の存在が大きい。透谷は、自殺。輔子は病死。二人の大きな存在を失った藤村の苦悶が描かれており、文学者として生きていく決意も感じられる小説になっている。もちろん、登場人物は実名で出てくるわけではない。


同じカテゴリー(書評)の記事画像
『ギリシャ人の物語』 塩野七生著
『孤独のすすめ』 五木寛之 中公新書 740円(税別)
『投資なんかおやめなさい』 荻原博子著 新潮新書 760円(税別)
『鴎外の坂』 森まゆみ 中公文庫 895円+税
『白秋愛唱歌集』藤田圭雄編 岩波文庫
『人間中野正剛』 緒方竹虎著 中央文庫
同じカテゴリー(書評)の記事
 アレキサンダーの征服領地の広さの秘密 (2018-01-04 17:23)
 アレキサンダー大王(塩野七生『ギリシア人の物語』より) (2018-01-02 15:09)
 『ギリシャ人の物語』 塩野七生著 (2017-12-23 17:02)
 下山の風景 (2017-12-16 11:30)
 『孤独のすすめ』 五木寛之 中公新書 740円(税別) (2017-12-13 12:03)
 『投資なんかおやめなさい』 荻原博子著 新潮新書 760円(税別) (2017-12-12 10:43)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
『春』島崎藤村著 新潮文庫 590円(税別)
    コメント(0)