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2014年09月25日

『海の翼』 秋月達郎著 新人物文庫 714円+税




読書の秋になった。読みかけの本もあるが、これまた友人に薦められて読んだ本である。タイトルだけ見れば何が書かれている本かわからない。作者も未知の人である。副題を見ると、トルコ軍艦エルトゥールル号救難秘録と書いてある。トルコ帝国の時代、親善使節団として、11か月という長い月を費やして軍艦で日本を訪問したのである。搭乗員は600名を超える一大遠洋航海であった。明治天皇に謁見し、帰路、紀州沖で台風の暴風雨に会い沈没遭難し、69名が救出され、他の人々は遭難するという大惨事になった。明治23年のことである。
この時、日本人のとった対応は、明治天皇を始め、救出にあたった和歌山県民の献身的な行為に、長くトルコ国民の日本に対する好印象が残った。生存者の治療、回復を待って日本の所有する軍艦2隻でトルコ本土まで送り届けたのである。遺族のことを思い、義損金を募り、送還する船に乗り、時の政府に渡す人物もいた。山田寅次郎という人物で、トルコに残り、日本人の心を士官学校で教え、貿易商ともなっている。教え子の中には、初代のトルコ共和国の大統領もいた。
トルコは、親日的国ということは知っていたが、こうした事件が根幹にあったのである。フセイン政権の時、トルコ航空が日本人救出に乗り出したのも、100年前の恩に報いたのである。当時、日本とトルコは、ロシア帝国に対し共通の利害があったことも知った。イスタンブールは観光地になっている。良い印象を持ちながら、ボスボラス海峡を眺めて見るのも良い。


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『海の翼』 秋月達郎著 新人物文庫 714円+税
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