☆☆☆荻原悦雄のフェイスブックはこちらをクリック。旅行記、書評を書き綴っています。☆☆☆

2014年10月18日

『白き瓶』 藤沢周平著 文春文庫 629円+税




友人に、藤沢周平のフアンがいて、盛んに薦められたが読む機会が与えられなかった。藤沢周平は、若い時に結核体験があり、病弱な体に健康不安を常に持っていた作家だという。庶民派というか、江戸期のいわゆる市井の人を描いた作品が多い。
この小説は、藤沢周平には珍しく、明治の歌人であり、小説家でもある長塚節を描いている。37歳という若さで亡くなった人だが、正岡子規に嘱望された人物として関心を持っていた。小説は『土』が知られていて、夏目漱石が絶賛したという。長塚節の生家は、今も良く保存されていて、茨城県の常総市の郊外にある。一度は訪ねて見たいと思うが、交通の便などを考えて実現していない。父親は、政治家で、長塚家は豪農であった。
長塚節は、県立水戸中学を首席で入学するほどの秀才であったが、病気がちで身体も弱く中退している。家に財力もあり、長男であったこともあり、家督を継ぐ立場にあったから文学に関心を寄せ、正岡子規に出会い、才能を開花させる。しかし、子規と同様に、健康に恵まれず、許嫁もいたが生涯独身であった。療養も兼ねて温暖な九州を旅しているが、現在九州大学のある福岡市の馬出の病院で亡くなっている。
5年前に読んだ本だが、岡山から藤沢周平フアンである友人が訪ねて来ることもあり、思い出したように書棚から取り出して再読している。藤沢周平は、資料を丹念に調べて小説を書くことで知られている。この小説も例外ではない。伊藤左千夫、島木赤彦、斉藤茂吉といった、アララギ派の歌人の様子も知ることができる。


同じカテゴリー(書評)の記事画像
『ギリシャ人の物語』 塩野七生著
『孤独のすすめ』 五木寛之 中公新書 740円(税別)
『投資なんかおやめなさい』 荻原博子著 新潮新書 760円(税別)
『鴎外の坂』 森まゆみ 中公文庫 895円+税
『白秋愛唱歌集』藤田圭雄編 岩波文庫
『人間中野正剛』 緒方竹虎著 中央文庫
同じカテゴリー(書評)の記事
 アレキサンダーの征服領地の広さの秘密 (2018-01-04 17:23)
 アレキサンダー大王(塩野七生『ギリシア人の物語』より) (2018-01-02 15:09)
 『ギリシャ人の物語』 塩野七生著 (2017-12-23 17:02)
 下山の風景 (2017-12-16 11:30)
 『孤独のすすめ』 五木寛之 中公新書 740円(税別) (2017-12-13 12:03)
 『投資なんかおやめなさい』 荻原博子著 新潮新書 760円(税別) (2017-12-12 10:43)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
『白き瓶』 藤沢周平著 文春文庫 629円+税
    コメント(0)