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2014年11月01日

『石川啄木』 河野有時著 笠間書院 1200円+税



コレクション日本歌人選の35番目の著作になっている。この本は、自分で購入したのではなく、著者の母上から贈呈されたものである。3年前、手紙と一緒に送っていただいた。著者の父上と長くお付き合いさせていただいていたことがご縁になった。数学者、岡潔先生を偲ぶ会(春雨忌)で、親しくさせていただいていたのである。父上は、既に他界されていた。ユーモアがあり洒脱な白髪の紳士だった。
著者が選んだ、50首の中には、教科書にも載っているような歌もあるが、著者の視点から解説しているので、大変勉強になった。著者は、東北大学の国文科に学んだこともあり、啄木研究家ということも頷ける。この本に触発されて、函館と生地盛岡を友人と訪ね、紀行文を書いた。50首の中で2首選ぶとすれば、「不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心」と「縁先にまくら出させて、ひさしぶりに、ゆうべの空にしたしめるかな。」である。前の歌は、「不来方(こずかた)」を「来し方(こしかた)」と覚えていたくらいだから、いい加減なものである。不来方は盛岡城の別名である。回想の歌だから、「来し方」と思いこんでいたのだろう。後の句は、著者と同じように、正岡子規を連想した。著者がとりあげた歌は「瓶にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上にとゞかざりけり」だが「いくたびか雪の深さをたずねけり」という句だった。十日程前に、友が遠方より訪ねてきて、たまたま啄木の歌に話が及んだ時、彼の好きな啄木の歌は、「函館の青柳町こそかなしけれ友の恋歌矢ぐるまの花」だった。この歌は、この本には紹介されていない。 


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『石川啄木』 河野有時著 笠間書院 1200円+税
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