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2014年11月03日

『贈られた眼の記録』 曽野綾子著 朝日文庫

『贈られた眼の記録』 曽野綾子著 朝日文庫
11月3日の文化の日、長く務める職場では地域の人達とのふれあいを求めて、お祭りを開催している。古本市のコーナーがあって、いつも店主の役がまわってくる。今年は、自分の蔵書で処分するものを選んで寄贈することにした。学生時代のもの、古い物は処分しようというくらいのつもりだったので、古本市に本を並べている時に、この本も出て来た。なんと、曽野綾子さんのサインがはいっているではないか。寄贈するのはやめて、読むことにした。
この本をいただいた時、曽野綾子さんは、50を少し越えた年齢だったと思う。私の務める施設に入居されている、ご主人三浦朱門さんのお母様の面会においでになった時に、持参された本にサインをしてくださったのである。毎週のように、作家活動で多忙だったと思うが、訪問され、職員とも気軽におしゃべりする姿に、親近感を持った。
曽野綾子さんが、白内障の手術をしたのは、40代後半だった。作家にとって視覚を失うことは、極めて深刻な事態である。音楽家が聴覚を失うことに似ている。本のタイトルでもわかるように、手術の成功によって、近眼も治ったという結果に感謝して、「贈られた眼」と表現している。カソリックの信者であることも無関係ではないが、危機に対して前向きに考えるというより、身をゆだねている。その背景には、夫や友人の支えがあり、特に朱門さんや、若い時からの友人である金沢の人との、ウイットに溢れる問答が面白い。この本を読んで、曽野綾子さんという人は、自立した女性で、しかも逞しいと思った。最近、テレビ番組で拝見したが、安倍首相の女性閣僚登用に反対意見を述べていたが、曽野綾子さんらしいと思った。その後、二人の女性閣僚が辞任した。曽野さんの「眼力」である。


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Posted by okina-ogi at 21:50│Comments(0)書評
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