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2014年11月21日

『ニッポン』 ブルーノ・タウト著 森トシ郎訳 講談社学術文庫



数年前に、ブルーノ・タウトと一緒に仕事をした人の話を講演で聴いたことがある。水原(みはら)徳言さんという人で、当時、95歳を超える高齢であったが、タウトの人物像を垣間見たような気がした。タウトは、昭和8年から3年間日本に滞在し、本来の建築家の仕事はしなかったが、日本文化の優秀さを世界に紹介するような著述を残した。高崎市にある少林山の一画にある先心亭に夫人と住み、水原さんらと工芸品を創作し、その作品は、今も残っている。
桂離宮や伊勢神宮の建物を簡素で単純かつ静閑、純粋であるという表現で評価した。一方、日光の東照宮の陽明門には、感動もしなかった。本著は、訳書であるため日本語として違和感のある表現もあるが、単刀直入に見解を述べるタウトが現れている。水原さんのタウトに重なるところである。タウトは、持論を曲げなかったらしい。
日本の田園風景と農業の考察は面白い。干拓して国を繁栄させたオランダと相似していると言っている。そこから、勤勉で清潔を重んじる国民性の共通点上げている。オランダは、鎖国時代、ヨーロッパでただ一つ、日本と交易のあった国である。
政治的な発言ではないと思うが、徳川幕府が倒れ、天皇制になったことを評価している。
日本文化も天皇制のなかで培われてきたようにも書いている。伊勢神宮や桂離宮の建物が、タウトの眼にはよほど新鮮に映ったのだろうと思う。


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『ニッポン』 ブルーノ・タウト著 森トシ郎訳 講談社学術文庫
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