☆☆☆荻原悦雄のフェイスブックはこちらをクリック。旅行記、書評を書き綴っています。☆☆☆

2014年11月21日

『ニッポン』 ブルーノ・タウト著 森トシ郎訳 講談社学術文庫



数年前に、ブルーノ・タウトと一緒に仕事をした人の話を講演で聴いたことがある。水原(みはら)徳言さんという人で、当時、95歳を超える高齢であったが、タウトの人物像を垣間見たような気がした。タウトは、昭和8年から3年間日本に滞在し、本来の建築家の仕事はしなかったが、日本文化の優秀さを世界に紹介するような著述を残した。高崎市にある少林山の一画にある先心亭に夫人と住み、水原さんらと工芸品を創作し、その作品は、今も残っている。
桂離宮や伊勢神宮の建物を簡素で単純かつ静閑、純粋であるという表現で評価した。一方、日光の東照宮の陽明門には、感動もしなかった。本著は、訳書であるため日本語として違和感のある表現もあるが、単刀直入に見解を述べるタウトが現れている。水原さんのタウトに重なるところである。タウトは、持論を曲げなかったらしい。
日本の田園風景と農業の考察は面白い。干拓して国を繁栄させたオランダと相似していると言っている。そこから、勤勉で清潔を重んじる国民性の共通点上げている。オランダは、鎖国時代、ヨーロッパでただ一つ、日本と交易のあった国である。
政治的な発言ではないと思うが、徳川幕府が倒れ、天皇制になったことを評価している。
日本文化も天皇制のなかで培われてきたようにも書いている。伊勢神宮や桂離宮の建物が、タウトの眼にはよほど新鮮に映ったのだろうと思う。


同じカテゴリー(書評)の記事画像
『ギリシャ人の物語』 塩野七生著
『孤独のすすめ』 五木寛之 中公新書 740円(税別)
『投資なんかおやめなさい』 荻原博子著 新潮新書 760円(税別)
『鴎外の坂』 森まゆみ 中公文庫 895円+税
『白秋愛唱歌集』藤田圭雄編 岩波文庫
『人間中野正剛』 緒方竹虎著 中央文庫
同じカテゴリー(書評)の記事
 アレキサンダーの征服領地の広さの秘密 (2018-01-04 17:23)
 アレキサンダー大王(塩野七生『ギリシア人の物語』より) (2018-01-02 15:09)
 『ギリシャ人の物語』 塩野七生著 (2017-12-23 17:02)
 下山の風景 (2017-12-16 11:30)
 『孤独のすすめ』 五木寛之 中公新書 740円(税別) (2017-12-13 12:03)
 『投資なんかおやめなさい』 荻原博子著 新潮新書 760円(税別) (2017-12-12 10:43)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
『ニッポン』 ブルーノ・タウト著 森トシ郎訳 講談社学術文庫
    コメント(0)