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2014年12月01日

『認知症にならない負けない生き方』 山口晴保著 サンマーク出版 1300円+税




著者から郵送でご寄贈いただいた。翌日が日曜日だったので、早速拝読。以前にも著書を頂いているが、専門書という感じではない。プロローグとエピローグを最初に読む。先生らしさが、よく出ている。「難しいことをわかりやすく書く」しかし、それが難しい。直筆のサインがあって、「共生」と書いてある。これまた先生らしい。
プロローグの書き出しのタイトルが振るっている。「認知症にならない生き方」なんてない。本のタイトルと矛盾してはおりませんか。更に読み進むと、「認知症に負けない生き方」というのも良くない。依頼された出版社の人に削除を求めたという。けれども、このタイトルが出版社の企画なので飽きらめたというのである。シリーズになっていて、「がん」、「脳卒中」、「うつ」がある。
 山口先生は、マスコミに登場することが多くなった。NHKや民放でお顔を拝見することが多くなった。ダンディな方で、お人柄は違うが久米宏に似ている。話し方もスマートだが、ユーモアもある。長い認知症の方ふれあいで、笑いの大事さを知って、実行されているのだろうが、どちらかというとシャイな性格でいらっしゃると思っていた。笑いのことは、本書にも多く書かれている。情緒のことは、心理学のテーマでもあって、尊敬する数学者の「人は懐かしさと喜びの世界に生きている」という言葉もまんざら、認知症と無関係でないと思っている。
 長生きすれば、認知症のリスクは高くなる。リスクの反対は、薬(くすり)だという。駄洒落に近いと思うがなるほどである。先生も、私も老いを意識する年代になった。そのことを前向きに考えているところが、本書に一貫して流れている。若いころ、もう退官されたが、筑波大学の教授をされた、井上勝也先生が、太宰治の「浦島」という小説を例にして「ボケは仏の慈悲」と言っていたのを思い出した。ボケなどいう言葉は、今日で死語に近いが。
 山口先生は、同じテーマを30年以上、研究されてきた。病理学的研究の面は知らないが、臨床的な面での研究は知っている。施設のお年寄りと関わって来られた姿を拝見しているからだ。最近テレビや、執筆、講演で活躍されていることを話すと「長年同じことをやってきたからですよ」といたって謙虚な言葉が返ってきた。趣味に写真があって、こちらもプロ級。毎年のようにいただいていた年賀状の写真も楽しみの一つだったが、最近は、公私ともにお忙しそうで数年前の年賀状が最後になっている。なにげなく贈っていただいた本に感謝したい。



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『認知症にならない負けない生き方』 山口晴保著 サンマーク出版 1300円+税
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