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2014年12月06日

『春宵十話』(2) 岡潔著 毎日新聞社

岡潔の本を最初に手にしたのは、『春宵十話』ではない。『春風夏雨』であった。名前は忘れたが、学生時代、同志社大学正門前の古本屋で買った。高校生の時、三島事件があったことに起因している。三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊の建物で割腹自殺した事件である。テレビの取材を受けた岡潔の言葉と姿が印象的だったからである。三島由紀夫の小説、とりわけ『金閣寺』、『仮面の告白』もその頃読んだ記憶がある。金閣寺に近い下宿を選んだのもまんざら無関係ではない。
大学を卒業して2年目の、昭和52年2月12日の午後に直接本人に会うことになった。大学の後輩に誘われたのである。今から考えると、面識のない若者に電話だけでよく会ってくれたとその幸運に感謝している。しかも自宅で高齢の身ながら、1時間余り、淀みない話に感激した。そう表現するより、心が囚われてしまったという方が正しい。その時の、情景が残っていて、懐かしさという感情に襲われる。
翌年3月、岡潔は亡くなった。もう直接話を聞くことはできない。もっと詳しく、岡潔を知るためにはどうしたら良いかと考えて、著作を捜したが購入するのが困難だった。『春宵十話』は、購入したのではなく、職場の大先輩の自宅を訪問した時に、もらい受けたのである。宝物を得たような気分になった。はしがきの冒頭に、「人の中心は、情緒である」と書かれている。さあ、これから岡潔の講義が始まるのだと、ページをめくったことを思い出す。


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『春宵十話』(2) 岡潔著 毎日新聞社
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