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2015年09月26日

『豊臣秀長―ある補佐役の生涯』堺屋太一著 文春文庫



京都に行き、聚楽第や御土居などに思いをめぐらしていたら、急にこの本のことを思い出した。おそらく、単行本で初版のものを読んだと思うので、かなりの月日が経っている。堺屋太一は、通産官僚から、作家、評論家に転進した。官僚時代は、大阪の万博や沖縄の海洋博にかかわっている。小渕、森内閣では経済企画庁長官になっている。現在は、大阪都構想に関与しており、マルチな才能の持ち主である。人柄も温厚のように見える。
それは、さておき、秀吉には名補佐役がいた。弟の秀長である。一説には異父兄弟とされているが、二人の関係は良かった。秀吉に直言できる数少ない存在でもあった。実務家だったことが良く描かれている。それに加え、調整役でもあった。潤滑油のない組織と言うものはぎこちないが、見事にその役割を果たしている。
52歳で秀吉よりも早く死ぬが、その後の秀吉は、片翼を失い不安定な飛行となる。聚楽第や御土居の建設はまだしも、朝鮮出兵となって、豊臣政権は危うくなっていく。それでも豊臣家の財力はあった。大阪夏の陣で豊臣家が滅びたとき、50万両の金銀の蓄えがあったという。京に方広寺を造り、多くの寺社に寄進してもこの財力である。秀長が生きていたらどのようなことになったのだろう。再読してみようと思う。


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