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2015年10月01日

真田丸(2015年9月)



 来年のNHK大河ドラマは、真田幸村を主人公にしたドラマになるようだ。真田氏の居城のあった、上田市は、観光客の来訪を予期して、モニュメントを整備したり、ポスターを商店街に貼ったりして、真田氏をアピールしている。一時的なブームに終わることが多いが、大河ドラマの経済効果は大きい。
 観光客で溢れる前に、上田市を散策してみることにした。ハイキング同好会、有志五人を誘って、上田市、別所温泉を訪ねることにした。五月の連休中に既に訪問していて、下見はできている。故人になったが俳優の地井武男の「ちい散歩」、加山雄三の「若大将のゆうゆう散歩」、タモリの「ブラタモリ」にあやかって、「おぎ散歩」ということになった。企画者を兼ねているので、真田氏のことを少しは調べておかねばならない。
 高崎を朝六時に出発。上田市までは、高速を使わず二時間もすれば着く。上田城址公園の駐車場に車を停め、お城の中をゆっくり散歩し、市内をぶらぶらしながら、近年できた「池波正太郎真田太平記館」を見学し、信州の鎌倉といわれる別所温泉に行き、お湯に浸かって帰ると言うのが、「おぎ散歩」の概略である。
 真田氏は、上田市に近い、真田町あたりに居城を構える信州の小豪族であったが、武田信玄の配下となり勢力を伸ばしていく。戦国の世の複雑な時代に、真田家は、親兄弟敵味方になって、徳川の時代、家名を残した。松代藩真田氏がそれである。幸村の兄である信幸が藩祖である。信幸は、当時には珍しく九十三歳という長寿で世を去っている。幕末の藩士の中には佐久間象山がいる。
 真田氏を一躍、天下に名を知らせたのは、上田城に押し寄せる徳川の大軍を二度にわたって撃退したことである。真田の戦上手は、世の人に知られることになった。そして圧巻は、大阪冬の陣と大阪夏の陣の幸村の奮戦である。大阪冬の陣で築いた小さな砦が真田丸である。ここに敵軍をおびき寄せ大戦果を上げた。大阪城の外堀を埋められた夏の陣では、さすが防御はかなわず、籠城戦にはならなかったが、家康の本陣を攻め、家康もう少しで討ち取るところまで善戦した。家康からすれば、恐るべし敵幸村である。
 「池波正太郎真田太平記館」では、特別展として、大阪夏の陣の資料を展示していた。黒田家が夏の陣の屏風絵を描き残したのは、幸村の兵(つわもの)としての印象が強烈に残されたからである。関が原の戦いで、西軍に組したため、高野山や九度山に配流された幸村は、十四年も苦渋に耐え、華々しく散ったのである。戦によって、社会の秩序が保たれた時代である。戦争は悪である。だから、幸村の生き方は否定するという平和論者の弁もあるだろう。しかし、日本人はこうした人物に惹かれるのも事実である。義経もしかり。幸村のことは、来年テレビで見れば良い。これ以上深入りはしない。
 上田城址に赤松小三郎という人物の顕彰碑があった。どのような人物なのか、碑に刻まれた文章読むほどではなかったのだが、長崎の海軍伝習所で勝海舟らと学んだ人物らしい。その後、明治の陸海軍の中枢を占める軍人を門下生とした。その中には東郷平八郎がおり、この碑は彼が中心になって建てられたようである。門下生の多くは、薩摩藩士であるが、その中の一人桐野利秋に暗殺されている。西南戦争に加わり、戦死した陸軍少将である。幕末、中村半次郎と名乗り、人切り半次郎と恐れられた。池波正太郎も
『人切り半次郎』というタイトルで小説を書いている。池波正太郎真田太平記館に文庫本が置かれていた。北国街道の古い町並みが残っている柳町通りの近くに、彼の生家があり、赤松小三郎の旗がなびいていた。改めてこの人物を意識した。幸村以上に関心が向いた。ぶらぶら散歩には、こうした副産物がある。
 別所温泉には触れない。ただ昼食に出たそばがふるっていた。六種類の味が楽しめるようにお膳に六個の器に入っている。六文銭である。真田の旗印である。


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