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2015年11月13日

『良寛の生涯その心』 松本市壽著 考古堂 1800円



良寛の生涯がよくわかる。といっても、本質は、良寛が残した漢詩、歌、句、書からの推察ということになる。著者は長く編集の仕事に携わり、自ら良寛について執筆することになった。よく取材し、写真入で良寛の足跡を訪ねてみようという人にとって、ガイド本として好著と言ってよい。
とりわけ、良寛の書が見られるのはうれしい。さまざまな書体があって驚く。書道のことはわからないが、良寛の字は個性的であり、人柄が滲んでいる。古来からの書の手本を学んだことも事実で、店の看板として書かれたものは、凧に子供にせがまれて書いた「天上大風」とは違う。「上州屋」、「酢醤油」は、整って力強く素人から見ても見事である。
この書には、良寛が極端に厭世的に生きたのではなく、多くの人と交わったことも知ることができる。ただ清貧であり、無欲な生涯である。作務=労働の大事さは、禅の修業中学んだことであるが、托鉢によって他者に対する感謝で一貫している。良寛は怠け者ではない。


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『良寛の生涯その心』 松本市壽著 考古堂 1800円
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