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2015年11月19日

『五代友厚』 高橋直樹著 潮文庫 630円(税別)



NHKの朝ドラ「朝が来た」で五代友厚がたびたび登場する。明治維新の薩摩藩士として、その存在は知っていたが、人物の詳細は知らない。たまたま駅ビルにある本屋に入ると、入り口近くにこの本が並んでいた。値段も手ごろで、ブームに乗って購入した。本の副題として「蒼海(うみ)を越えた異端児」となっている。
小説だから、実像に誇張されている部分もあるだろうが、行動の大胆さは、快男子といえる。武士ながら商才があって、官を辞してからの実業家としての活躍は、目をみはるものがある。このあたりは、朝ドラでも紹介されるのだろう。
明治政府の富国強兵策とも深く関わり、政商という面も拭えない。そのためかは知らないが、鹿児島県人の評価は低く、長く郷土では顕彰されてこなかった人物だったようである。対照的に、大阪では評価が高いようである。東の渋沢栄一、西の五代友厚といわれるほど明治初期の日本経済をリードした。
渋沢と共通しているのは、幕末に海外に出て、西洋文化に触れ、それを理解したことである。鎖国の時代、上海やイギリスに渡っている。私欲が少なかった点も共通している。しかし、危ない橋も渡っている。だから、小説としてもおもしろいのかもしれない。写真を見るとハンサムで、著者は、女癖が悪いことを寛容なタッチで書いているが、実際はどうだったのだろう。


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