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2015年12月09日

『薩摩スチュ-デント、西へ』 林望著 光文社時代小説文庫 838円(税別)



鹿児島中央駅に「若き薩摩の群像」の彫刻群がある。その数15名である。幕末、薩摩藩が、秘密裏に西洋留学に送り出した青年達の像である。明治になって、この若き留学生は、政界、官界、実業界他多方面で活躍することになる。長州藩も同様に、若き藩士を留学させている。「長州ファイブ」の中には、伊藤博文、井上馨などがいた。
俗にカルチャーショックというが、見るもの、聞くものが全て新鮮である。どのように異文化を吸収、消化するかは個人の資質になるが、各自が使命感に溢れている。薩摩藩の選ばれた人々だったからである。中には、攘夷思想の者もいて、直接殿様(島津久光)から説得されている。藩上げての大事業だったのである。
薩摩藩出身の武士ではない人物も含まれていたが、大半は薩摩武士である。会話が多いので、薩摩言葉が随所に出てくる。著者は、鹿児島の人ではない。書くこととしゃべることは違っていても、良く薩摩言葉を的確に表現している。さらに、この南の雄藩の武士の気質も良く描いている。
朝ドラに登場する五代友厚は、既に上海に渡ったこともあり、リーダー的兄貴分のような存在になっている。藩に海外留学を提案したのも彼である。薩英戦争の後のこの身替りの早さも、薩摩の特徴である。


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『薩摩スチュ-デント、西へ』 林望著 光文社時代小説文庫 838円(税別)
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