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2016年01月08日

『人斬り半次郎』池波正太郎著 新潮文庫 幕末編・賊将編



池波正太郎の著作を初めて読むことになった。動機は、暮れに鹿児島を訪問し、幕末の薩摩藩士に興味を持ったことである。西郷隆盛、大久保利通は、別格として維新前後、国政に関与した薩摩藩士は多い。その中に、中村半次郎がいる。西南戦争に薩軍の大将格として、城山で敗死した人物である。桐野利秋ともいった。陸軍少将でもあった。
上田市を訪ねたとき、赤松小三郎という人物の存在を知った。上田藩士で西洋兵学に詳しく、西洋の議会政治に関心を持った人物でもある。白昼、京都の街中で暗殺された。その下手人が中村半次郎だと言われている。彼の日記に書き記してあったことから、昭和になってわかったのだという。この小説の中に描かれているのではないかとも思ったのである。結果は、なかったのである。ただ、赤松小三郎という名前が、幕末編の最後に出てくる。それも一箇所だけである。
こうした通俗小説に、人物像を求めるのも危ういし、歴史的事実を求めてもそれほど意味はないのかも知れない。司馬遼太郎の『龍馬がゆく』でも、坂本龍馬が一人歩きを始めたのかもしれない。『人斬り半次郎』でも中村半次郎が、多くの人を斬った剣の達人のように書かれているが、その確実な証拠もないようだ。登場人物にも創作された人物もいるかもしれない。そうでないと小説として読者をひきつけないかもしれない。一読して思うのは、維新前後は大変な動乱期だったということである。


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『人斬り半次郎』池波正太郎著 新潮文庫 幕末編・賊将編
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