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2016年02月12日

武蔵野』 国木田独歩著 新潮文庫

明治維新により東京遷都が行われ、市街地が広がり、農地や森林が宅地化された。国木田独歩が『武蔵野』を書いたのは、明治31年である。東京23区と今日呼ばれている場所にも豊かな森林が残っていた。世田谷に移り住んだ徳富蘆花の『みみずのたわごと』にも当時の東京の様子が描かれている。
 『武蔵野』の森林は、落葉樹林である。しかも起伏が少なく、自然公園のような趣があったようである。散歩にもむいていた。その面影は、東京に近い埼玉の高崎線沿線に見ることができるが、猫の額のような狭さである。
山は暮れて野は黄昏の芒かな という蕪村の句を紹介しているが、まさにこの句にふさわしい風景が百数十年前にはあったのである。若い時、雑木林で、半年ほどシイタケ栽培の仕事に従事したことがあるので、その良さが分かる。『武蔵野』は短編だが、自然描写が濃厚な作品になっている。
 裸木の森さくさくという響き
冬の雑木林で詠んだ句である。


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