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2016年05月10日

『農民画家」ミレーの真実』井出洋一郎著 NHK出版新書 820円(税別)



東京国立博物館で開催されている「黒田清輝展」で購入した。黒田清輝に関する図書がなかったからである。ミレーと黒田清輝との関係があるのではないかというのが購入の動機でもある。読了後、その記述はなかったのであるが、黒田清輝が渡仏した前のフランス画壇を知ることができた。
著者は、ミレーの絵画、人物に詳しい。ミレーの絵画を所蔵することで知られている山梨県立美術館の学芸員として勤務した職歴がある。ミレーの絵は、日本人には、人気がある。清貧、敬虔、農民画家というイメージが定着している。偉人という評価もある。それは、表層的な見方であるというのが著者の見解である。
ミレーの農民を描いた絵画は、フランスの片田舎、バルビゾン村で描かれたものが多い。バルビゾン派と呼ばれる画家と住まいを同じくして描いたものである。中でも、とりわけテオドール・ルソーは、最も心を許し、影響を受けた画家である。
バルビゾン派には、日本ではあまり知られていないが、コンスタン・トロワイヨンという画家がいる。牛を始めとして野外の動物を好んで描いている。古くからの友人で、故人となったが、河野喬という人は、トロワイヨンに魅せられ、図録まで自費出版して紹介している。何とも心癒される絵なのである。
ミレーに戻るが、代表的な作品である「晩鐘」、「落穂拾い」、「種を蒔く人」は、彼の人物評価が変わろうと名画であることは間違いない。


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『農民画家」ミレーの真実』井出洋一郎著 NHK出版新書 820円(税別)
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