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2016年06月18日

『我が家の昭和平成史Ⅱ』塚本哲也著 文芸春秋企画出版部 4000円(税込み)



別冊のⅡを読み終えた。1と合わせて4000円のセット価格になっている。上下2段の構成になっていて、活字も小さく、ページ数も多いので、普通の単行本を4,5冊読んだ気分になった。パソコンを使い、自由が利く左手、それも人差し指1本でよく書き上げたと感心した。
男有り女ありけり神の春
自分の句に、句ともいえない一句を思い出した。
素晴らし2人3脚の著者夫妻の歩みは、感動的というより崇高である。御二人の信仰する神に導かれているように感じられるのである。妻が先に脳出血となり、後を追うように著者も脳出血になり、自由が利く足は夫婦で2本になったのである。こうした表現は、不敬とわかっているが、他者から見れば理想的な夫婦愛が綴られている。
新聞記者の体感した、戦後の中欧の歴史は、眼から鱗がとれるという感じがしたし、ヨーロッパの政治の複雑さ、とりわけ外交は、常に戦争の危機回避の手段として、緊張感があることを知った。またヨーロッパを旅したいと思った。その良きガイドブックにもなっている。自然の豊かな風土も魅力的である。
老後の孤独、とりわけ妻に先立たれた寂しさも素直に書かれている。悲しい時は悲しいと思えばよいという神父の助言や、モーツァルトが死を意識しながら名曲を創作していた話。老年期の死生観も述べている。施設の看護師が、病院に居残り、夫へのメッセージを妻の無言ながら「感謝」の想いがあったことを確認し、著者に伝える箇所を読んだ時、久しぶりに涙するところとなった。


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『我が家の昭和平成史Ⅱ』塚本哲也著 文芸春秋企画出版部 4000円(税込み)
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