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2016年06月28日

『円仁唐代中国への旅』 エドウィン・O・ライシャワー(訳書) 講談社学術文庫



円仁、慈覚大師に旅行記がある。『入唐求法巡礼行記』であるが、円仁に関心を持ち、研究した人物は、ライシャワー駐日大使である。その訳書がこの本である。50代から全国を意識して旅をするようになってから、古人の紀行文に関心を寄せるようになった。東北を旅するときに、慈覚大師の創建の寺が多いことに気付いた。山寺、瑞巌寺、毛越寺などがそうだった。円仁については、さほどの知識は持ち合わせてはいなかったが、調べてみると下野(現在の栃木県)の出身だということに親近感が湧いてきた。仏教が、民間に広まる平安時代の人である。隣県の上野(群馬県)も仏教が広まり、鑑真の弟子もいた。
円仁は、最澄の弟子となり、僧としての資質を認められる。そして、遣唐使として中国大陸に9年間という長きに渡り足をとどめることになる。仏教の聖地を訪ねたりして、唐の時代の中国を旅して記録として残したのが、『入唐求法巡礼行記』である。マルコポーロの『東方見聞録』よりも知られてはないが、記事の内容の正確さを、ライシャワーは、評価している。
中国の仏教は、唐の時代が最盛期だという感じがする。円仁が帰国する直前に、仏教の大弾圧があった。円仁も巻き込まれたが、帰国を果たすことができた。帰国後、円仁は、朝廷に重く用いられ、慈覚大師の称号を受けることになる。師の最澄が伝教大師、空海が弘法大師の称号を朝廷から贈られるのは、その後のことである。


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『円仁唐代中国への旅』 エドウィン・O・ライシャワー(訳書) 講談社学術文庫
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