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2016年07月05日

『心の対話 岡潔・林房雄』日本ソノサービス



昭和43年の出版である。絶版になっていて、古書でしか読むことができないようである。この本を手にしたのは、20数年前である。社会教育家の後藤静香のご子息の後藤潔さんの別荘にあった本棚から譲っていただいたものである。当時も絶版だったと思う。最近は、対談者である岡潔の本が再販されるようになったが、岡潔の没後、著作は出版されず古書で読むことしかできなかった。
林房雄も忘れられた文学者に近い。戦前、左翼から右翼に転向した作家として知られ、この時期、三島由紀夫との親交があった人である。三島事件は昭和44年だから、この本が出版されたのは、その前年である。学生運動が盛んだった時代である。高校生の時代で、政治に関心はなかった。
対談するくらいだから、2人に共感する意識があることは、当然である。日本人の心のあり方について多くを語っている。もっぱら岡潔は、日本人の心に言及している。林房雄は、政治や経済に触れている。こちらは、岡潔が聞き役になっている。改めて読んで新鮮だったのは、岡潔が経済立国を強調している点である。岡潔は、自分の経済は眼中にない人だが、国の経済は心配していたのである。先生らしいと感心した。
一方、林房雄だが、右翼と言われるほど民族主義者ではなさそうである。公明党の母体である創価学会にも寛容である。さらに、西洋文化は、物質文明だから悪いとも言わない。自民党の歴代首相(佐藤総理まで)も愛国者であり、金権政治家とも言わない。日本国憲法の成立と批判的な見解もある。


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