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2016年09月07日

『潜行三千里』辻正信著



新書版である。ベストセラーになった本の復刻版である。最近新聞広告でよく紹介されているので、読んでみようと思った。辻正信と言えば、関東軍や大本営の参謀として知られている。終戦後、東南アジアや中国大陸に潜伏し、帰国し国会議員になった人物である。その後、東南アジヤを再訪し、後方不明になったことでも知られている。
逃亡記として読むと体験談でもあり、文章力もあって臨場感を生んでいる。参謀としての機転、大胆さ、情報分析、決断の的確さなど随所に見られ、スリリングで面白い読み物になっている。終戦後のアジアは、独立運動も絡み、不安定な世情だということがわかる。蒋介石の国民党軍が、辻の力を借りようとしたこともうなづける。
私の大叔父は、終戦後少佐を最後とし、1年近くベトナムに残った体験談を話してくれたことがあった。治安維持に、日本の軍隊が必要だったのである。戦犯になる可能性がない点では、辻正信と違っていたが。瀬島龍三も大本営の参謀でシベリヤに抑留され、日本に戻り実業家となり、中曽根政権で行政改革に手腕を振るっている。末次一郎は、陸軍中野学校の出身で、戦後も政治の影になって活躍した人物である。評価は別にして、国士という感じがする。


『石原莞爾 マッカーサーが一番恐れた男』も並行して読んでみた。なるほど、迫力のある人物である。東条英機とは馬が合わなかった。


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