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2016年09月27日

『魂の退社』 稲垣えみ子著 東洋経済 1400円(税別)



知人の紹介で読んだ。著者は、朝日新聞の記者で編集委員の経歴がある。独立してフリーライターになることは、珍しくない。タイトルに惹かれた。彼女の魂が、組織を離れて生きることを望んだのであるが、その結果、彼女が痛切に感じたのは、日本は会社社会だという発見である。「猿は、木から落ちても猿だが、政治家は選挙に落ちればただの人」というある代議士の言葉を思い出した。ただ、違うのは出処進退を自分で決めたことである。だから後悔してはいないのだが、その落差が大きいのに驚いているのである。
なるほど、そういうものかと思う事例が、詳しく紹介されている。その中に社会保険の切り替えがある。医療保険、年金保険。雇用保険は、彼女のような退職では失業給付はもらいにくいとも書いている。雇用保険は、次の会社に就職することが前提の保険だと言うことからも、日本が会社社会だと感じたと言う。
巷を見れば、全国津々浦々に、コンビニができ。田舎にも大きなスーパーが進出し、お弁当屋さんもチェーン店である。個人経営のお店が姿を消しつつある。雇われ人になって生活する人が多くなっているのもこの流れである。
定年退職も自主退職ではないが、会社から離れることには違いない。想像はしているが、大いに参考になった。何よりも共感するのは、自分の魂にふさわしい生き方をするという点である。社会から孤立するのではなく、会社の論理で生きない生き方である。そのためにも彼女のような能力がないものにとっては、年金が経済基盤になる。加えて、規模は小さくとも農業経営もまんざら捨てたものではない。


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『魂の退社』 稲垣えみ子著 東洋経済 1400円(税別)
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