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2016年11月04日

『新しい道徳』 北野武 幻冬舎 1000円(税別)

コメディアンから出発した著者は、俳優、映画監督としても知られるようになり、最近では作家としても認められ、マルチぶりを発揮している。この本も古本市で購入したのだが、出版は昨年で、新刊書に近い。新刊書として書店に並べられていたならば購入しなかったかもしれない。
 10月31日(日)、友人と軽井沢のしがくの宿「しずかる荘」に泊った時、ロビーに、『ほしのはなし』という絵本が置いてあった。作者は北野武となっている。さらっと読んだが、なかなか含蓄のある内容と展開である。北野武にもこんな一面があるのかと思った。そして、数日後古本市の本を整理していたらこの本を見かけた。
読み始めると、思いつきで書いていないことがわかる。綴り方は、北野武らしいが、内容は真摯で、不真面目ではない。受けを狙って書いてはいない。多くの人から見れば、型破りの人生を送っている人物のようにみられるが、根は優しい人柄に感じられる。
道徳的なものは、時代によって変わるもので、社会秩序を保つ方便という指摘には共感するし、戒律的なことは少ないほうが良いというのも同意見である。また、自ら自覚することが本質とも言っている。芥川龍之介の『侏儒の言葉』からの引用があったり、群れで生きる人間という指摘も鋭い。結構深いところで考えている。


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『新しい道徳』 北野武 幻冬舎 1000円(税別)
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