☆☆☆荻原悦雄のフェイスブックはこちらをクリック。旅行記、書評を書き綴っています。☆☆☆

2016年12月14日

『新逆旅』 土岐文英著 文芸社



著者は、田舎の開業医。東京帝国大学医学部を卒業し、父親の後を継いで、町医者になった。大変な読書家で、80代半ばにこの本を出版し、贈呈された。著書のタイトルになった「逆旅」は、著者の人生観を著している。
唐の詩人、李白の「夫天地者萬物之逆旅」からの引用である。漢詩、短歌、俳句に通じ、著書の内容は、文芸評論家と言えるほどの内容である。芭蕉の「月日は百代の過客にして、行きかう年もまた旅人なり」を彷彿させる紀行文も載っている。随筆もあって、絵画や陶器、音楽の造詣も深い。読書家らしく、書評も素晴らしい。特に臼井吉見の『安曇野』を通じて、相馬愛蔵、相馬国光の存在を知った。晴耕雨読の毎日で、老後は著者のような生活が出来たらと、毎年のようにお宅を訪問し、歓談する機会があった。
大正6年の生まれで、もうすぐ百歳である。春になったらお邪魔しようと思っていたが、最近友人を通じて亡くなられたことを知った。大往生というしかない。改めて著書に触れ、故人を偲びたい。ご冥福を祈るばかりである。


同じカテゴリー(書評)の記事画像
御堀端の風景
「宿命に生き宿命に挑む」 橋本五郎著 藤原書店 2600円(税別)
芭蕉晩年の句を考える
『ギリシャ人の物語』 塩野七生著
『孤独のすすめ』 五木寛之 中公新書 740円(税別)
『投資なんかおやめなさい』 荻原博子著 新潮新書 760円(税別)
同じカテゴリー(書評)の記事
 御堀端の風景 (2019-02-09 15:25)
 『落語教師』 蛭川幸茂著 (2019-02-08 16:53)
 「俳句のこころ」阿波野青畝著 角川書店 (2019-02-07 16:51)
 「宿命に生き宿命に挑む」 橋本五郎著 藤原書店 2600円(税別) (2019-02-02 17:37)
 天地人 (2019-01-21 17:36)
 俳句鑑賞 (2019-01-20 16:32)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
『新逆旅』 土岐文英著 文芸社
    コメント(0)