☆☆☆荻原悦雄のフェイスブックはこちらをクリック。旅行記、書評を書き綴っています。☆☆☆

2017年01月21日

『失敗の本質』 共著 中公文庫



小池東京都知事の座右の書らしい。財界人でこの本に関心を寄せている人もいる。副題として、日本軍の組織的研究となっている。軍隊と企業は、その目的は異なるが組織という点においては同じである。小池知事が言うようには負けてはいけないのである。日本航空や、多額の損失を出して企業の存続が危惧されている東芝のようになってはいけないのである。組織の失敗は何から生まれるのか。
本著が分析した日本軍の戦いの中で、六つのケースを取り上げている。①ノモンハン事件②ミッドウェー作戦③ガタルカナル作戦④インパール作戦⑤レイテ海戦⑥沖縄戦である。
このうち、③と⑤どのように戦われたかは知らず、特にガタルカナル島がソロモン諸島にあることを知った。日本から随分と離れている。伯父が、ニューギニアで戦病死しているので南方の戦争には関心があったが、悲惨な戦いだと聞いて知るのを避けていたこともある。
 本の内容から、負け戦を分析するぐらいなら、負ける戦をなぜしたのかを研究したほうが良いと考えていたら、そのことも最初に書いてある。そのことを分かった上で、あえて戦いの失敗を日本軍という組織に眼を向け分析しているのである。いろいろな指摘があるなかで、「主観的で「帰納的」な戦略策定―空気の支配」というのがあった。これだなという感じがした。一方、演繹的という言葉がある。客観的と言うか、冷めた判断である。日本人の良さでもあるが、情に流され易いのである。情報や状況の冷静な分析は、アメリカが優っていた。もちろん、国力の違いがあり、力のあるものに戦いを挑んでも勝つ見込みは少ない。孫子の兵法というのがあった。「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」亡くなった大叔父は陸軍少佐で終戦を迎えたが、「先の大戦は無謀な戦いであった。戦争を国際紛争の解決手段にすべきではない」という言葉を残し、この孫子の言葉を引用していた。


同じカテゴリー(書評)の記事画像
『ルポ税金地獄』 朝日新聞経済部 文春新書 780円(税別)
『風蘭』 岡潔著 角川ソフィア文庫 821円
「私の履歴書」
バルテノン神殿と彫刻群
「デロス同盟」と「ペロポネソス同盟」
『キリストの誕生』遠藤周作著 新潮文庫
同じカテゴリー(書評)の記事
 『ルポ税金地獄』 朝日新聞経済部 文春新書 780円(税別) (2017-04-26 12:35)
 『風蘭』 岡潔著 角川ソフィア文庫 821円 (2017-04-18 11:16)
 「私の履歴書」 (2017-03-21 16:58)
 バルテノン神殿と彫刻群 (2017-03-02 11:34)
 「デロス同盟」と「ペロポネソス同盟」 (2017-02-23 12:01)
 『キリストの誕生』遠藤周作著 新潮文庫 (2017-02-08 11:49)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

<?=$this->translate->_('削除')?>
『失敗の本質』 共著 中公文庫
    コメント(0)