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2017年05月19日

『山本健吉俳句読本』角川文化振興財団編 角川書店

第一巻 俳句とは何かを久しぶりに読んだ。全五巻あるが、蔵書はこの一巻だけである。山本健吉は、著名な文芸評論家であり、近代の俳句の評論の第一人者といっても良い。文芸評論家といえば、小林秀雄もいる。巷の読書好きでは、内容が難しく、読み進めるのに苦労する点では共通している。
山本健吉の本は、我が家に何冊かあるが、そのきっかけを作ったのは、数学者の岡潔の愛読書だったからだということである。正確に言えば、岡潔のご息女の本棚に、大事に保管されていたからである。本は、芭蕉に関する評論だったと思うが、書名は思い出せない。
山本健吉の本を通じて、芭蕉の世界を岡潔は調べたという方が正しいかもしれない。山本健吉は、自分では俳句を作らないが、俳句の鑑賞には、力量がある。
 戦後、桑原武夫の『第二芸術―現代俳句について―』によって、俳句は、その存在基盤を脅かされたことがあった。俳句が、文芸でもなく、ただの趣味、道楽であれば、日本文化の一つの分野を失うことになる。「俳句とは何か」を語り、その窮状を救った評論とも言える。蛇足だが、山本健吉、小林秀雄、岡潔は、共に文化勲章を受章している。


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