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2017年07月08日

『菜根譚』 洪自誠著

社会事業家であった、後藤靜香の全集で、この本の存在を知った。最近、蔵書の整理をしていたらこの本が出てきた。少しは読んでいたのだろうが、あらためて読んでみた。1996年の版で徳間書店から出版されたものだ。口語文の訳本である。
洪自誠は、明王朝時代の人である。日本では、織豊時代から徳川の時代に移る頃の人である。官吏であったかもしれないが定かではない。江戸時代の後期になって、前田藩の儒者が紹介し広く読まれるようになった。学術書ではないが、短い処世訓が並んでいる。なるほどと思う指摘が多い。文も短い。著者の倫理観は、中国の古来からの宗教的、道徳的要素が背景にあるが、現世で得た経験知でもある。
日本の政治家や実業家の愛読書になっているらしい。田中角栄、松下幸之助といった人達である。「手柄は人にやれ。泥は自らかぶれ。敵を減らせ」などと角さんは言っていたが、手本はこの本だったのだろう。松下幸之助の『一日一話』にも当然反映されている。実行できるかは別として、口ずさむだけでご利益があるかもしれない。無欲、向上心、謙譲という資質があれば申し分がない。


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