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2017年10月06日

『暗黒日記』清沢洌著 岩波文庫


1942年の12月9日(日米開戦の1年目の翌日)から書き始め、終戦の年1945年の5月5日で終わっている。空襲が激しい中、江戸、東京の大火の歴史を綴っている。戦争を煽ったジャーナリストの代表格として徳富蘇峰をあげている。戦争遂行者、東条英機の太鼓もちとまで言っている。軍人では、末次信正、政治家では中野正剛、右翼では頭山満、笹川良一などの名前をあげて批判している。逆に交友があった人物として、芦田均、吉田茂、広田弘毅、石橋湛山、緒方竹虎の名前がしきりに登場する。小林一三、藤山愛一郎などの財界人、正宗白鳥、長谷川如是閑とは親しい関係にあったようだ。とにかく人脈が広い。経済的にも恵まれており、軽井沢に別荘を所有し、戦時中でもゴルフを楽しんでいた。アメリカに長く住んでいたから、合理主義であった。それよりも、自由主義と平和主義は筋金入りで、軍人や官僚の形式主義や封建主義を嫌っていた。戦時中は、言論界から政府権力に警戒され、遠ざけられていた。この日記は、日本の敗戦を意識、戦後をどうするか、そのための資料として書き残そうと考えたのである。清沢洌も愛国者であったのである。皇室への崇拝は、徳富蘇峰と同じであるが、戦後の象徴天皇観がある。亡くなったのが55歳と若い。


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