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2017年10月07日

『人間中野正剛』 緒方竹虎著 中央文庫

『人間中野正剛』 緒方竹虎著 中央文庫

一昨日、清沢洌の『暗黒日記』を読了したばかり。昨夜、寝る前に本棚に眼をやると、この本が眼に留まった。清沢洌とは、思想、信条もかけ離れた人物だが、気になっていた。本棚にあるのだから、少しは読んだのかもしれないと思いつつベッドに入りページを開いた。緒方竹虎と竹馬の友なのか、そして福岡県の人なのかということが頭に残り、書き出しの部分だけ読んで寝た。
太平洋戦争は、避けられなかった戦争かというのがここ数年の、関心になっていて、それなりの文献を調べている。清沢洌は政治家ではないが、石橋湛山、緒方竹虎、中野正剛は、言論人から政治家になった。中野正剛は戦争推進者だったのか。三国同盟に賛成し、ヒットラーやムッソリーニに会っているところから国粋主義、軍国主義、ファシズムに近い思想を持った人物なのかという視点は、この本から断定できない。
タイトルが人間中野正剛であり、政治家中野正剛ではないのである。中野正剛の妻は三宅雪嶺の娘である。よき家庭を築き子供にも恵まれたが、長男は、山で滑落死し、妻には先立たれ、自身も医学的ミスで片足を切除していることを知った。そうした点では苦難の人生になっている。何とも強烈なのは、東條英機を批判し、現職の議員ながら逮捕、拘束され自宅に戻った後自刃していることである。
中野正剛の尊敬する人物が、西郷隆盛、大塩平八郎だという。共に陽明学を深く学んだ歴史的人物である。知行合一の思想。このあたりが、中野正剛という人の核なのかと納得した読後感である。


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Posted by okina-ogi at 17:15│Comments(0)書評
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